◎インドとパキスタンはそれぞれカシミールの一部を管理している。この係争地をめぐる領有権争いが解決する目途は立っていない。
インドの係争地カシミール南部の集落で政府系民兵組織の構成員2人が何者かに殺害された。警察が8日、明らかにした。
それによると、事件は7日夜に発生。正体不明の武装集団が2人を拉致し、その後、遺体が見つかったという。
地元の警察当局はイスラム主義者の攻撃と非難したが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。
犯行声明を出した組織は確認されていない。地元メディアによると、殺害された1人はヒンズー教徒、もう人はイスラム教徒で、牛の放牧地から戻る途中、拉致されたという。
ジャンムー・カシミール州の複数の地区で8日、この殺人に抗議するデモが行われ、数百人が警察に容疑者を逮捕するよう要求した。
地元メディアによると、分離独立を主張する反乱軍カシミール・タイガース(Kashmir Tigers)が血まみれになった遺体の写真を公開したという。この遺体が殺害された2人かどうかは分かっていない。
政府系民兵組織は1990年代に結成され、国軍がすぐに現地入りできない僻地で反政府勢力やイスラム主義勢力と対峙してきた。
その後、反政府勢力の勢いが衰えると、多くの民兵が解散した。
しかし昨年、カシミールの軍事境界線に近い山奥の村で7人のヒンズー教徒が殺害された後、当局は民兵を復活させ、10代や20代の若者など、数千人の村民を再武装させ、訓練を開始した。
インドとパキスタンはそれぞれカシミールの一部を管理している。この係争地をめぐる領有権争いが解決する目途は立っていない。
カシミールでは数カ月前から暴力事件が急増し、多くの市民が爆弾テロや銃撃戦に巻き込まれて死傷している。
カシミールの反政府勢力は1989年の武装蜂起以来、中央政府と戦ってきた。カシミールで生活するイスラム教徒の多くがパキスタンへの編入か独立という反政府勢力の目標を支持している。