反政府勢力が自治体庁舎を制圧、略奪も、1人死亡 パキスタン
事件は州都クエッタ郊外の集落で30日に発生。数十人のBLA戦闘員が自治体庁舎を一時占拠し、近くの銀行を略奪した後、逃走した。
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パキスタン南西部バルチスタン州で反政府勢力「バルチスタン解放軍(BLA)」が自治体の庁舎を一時占領し、激しい銃撃戦の末、政府職員1人が死亡した。陸軍が5月31日、明らかにした。
それによると、事件は州都クエッタ郊外の集落で30日に発生。数十人のBLA戦闘員が自治体庁舎を一時占拠し、近くの銀行を略奪した後、逃走した。
地元テレビ局は軍関係者の話しとして、「テロリストは建屋に火を放って逃走し、女性と子供を助けようとした男性職員が亡くなった」と伝えている。
地元警察は銃撃戦の末、BLAの戦闘員を複数人殺害したと明らかにした。
BLAはその後、ウェブサイトに犯行声明を出し、戦闘員が自治体庁舎を支配下に置いたと主張した。
地元当局はこの主張を否定。「BLAは逃走し、そのうち数人の遺体を収容した」と述べた。
AP通信によると、BLAは銀行だけでなく、公務員向けの住宅にも火を放ち、少なくとも4人が負傷したという。
バルチスタン州では四半世紀ほど前から政府と分離主義勢力による紛争が続いており、BLAなどの反乱軍は州の資源を分配するよう中央政府に要求。その後、独立を求めて反乱を起こした。
同州で3月に発生した列車襲撃事件では陸軍兵士を中心に33人が死亡。BLAは乗客など、214人の人質を処刑したと主張している。
シャリフ(Shehbaz Sharif)首相は5月31日、この攻撃を非難し、対テロ作戦を継続すると誓った。