▽船はアチェ州北部の集落近くで座礁したという。船のエンジンは故障していた。
インドネシア・スマトラ島北部アチェ州に100人以上のロヒンギャ難民を乗せた船が流れ着いた。地元当局が29日、明らかにした。
それによると、船はアチェ州北部の集落近くで座礁したという。船のエンジンは故障していた。
地元警察の署長は記者団に対し、「難民を保護し、身元を確認中である」と語った。
AP通信は難民の証言を引用し、「マレーシアに行くためにバングラデシュのコックスバザールを出発し、船に乗った」と伝えている。
それによると、人々に船を提供した人身売買業者は故意にエンジンを壊した可能性があるという。
アチェ州政府は声明で、「ロヒンギャ難民から金を巻き上げ、利益を上げている犯罪組織を摘発するよう中央政府に要請した」と述べた。
過去1年間でアチェ州に上陸したロヒンギャ難民は600人を超えている。今月初めには2隻のボートが上陸、260人以上が保護された。その大半が女性と子供であった。
ミャンマー軍政による2017年の弾圧で殺害されたロヒンギャは1万3000人と推定され、少なくとも200の村が焼き払われ、100万人以上が国外退避を余儀なくされた。
バングラデシュのコックスバザール地区には100万人以上のロヒンギャが避難し、世界最大の難民キャンプを形成している。
バングラから海路で出国するロヒンギャのほとんどが仕事を求めてイスラム教徒の多いマレーシアを目指す。
インドネシアは国連で1951年に採択された「難民の地位に関する条約」に加盟していないが、2016年の大統領令で難民の扱いに関する規定が定められて以来、多くのロヒンギャを受けている。