エボ・モラレスはどこ?ボリビアの元大統領が公の場から姿消す
モラレス氏は2025年の大統領選に異例の形で関与し、政治的影響力を行使していたが、現在は人身取引や少女との性的関係をめぐる容疑で逮捕状が出され、逃亡中の身となっている。
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ボリビアのモラレス(Evo Morales)元大統領が約1カ月にわたり公の場から姿を消し、支持者の間に不安を広げている。モラレス氏は近年も政治的影響力を維持し、労働組合や政治集会、ラジオ番組への出演、SNSでの発信を続けていたが、2026年1月初旬以降、行事への出席や定例のラジオ放送、労組との会合などを相次いで欠席し、公の活動が途絶えている。
モラレス氏は2025年の大統領選に異例の形で関与し、政治的影響力を行使していたが、現在は人身取引や少女との性的関係をめぐる容疑で逮捕状が出され、逃亡中の身となっている。このため、同氏の動向をめぐっては多数の憶測が飛び交っている。
モラレス氏の側近は説明を避けつつ、支援者に対してモラレス氏がデング熱に感染し療養中であると伝えている。デング熱は蚊が媒介するウイルス性疾患で、通常数日から1週間程度で症状が治まるとされるが、長期の療養が必要になったという説明には無理があるよう見える。
モラレス氏の不在については、2019年の退陣劇を思い起こす政治的混乱が背景にあるとの指摘もある。2019年には憲法違反と指摘された4選出馬をめぐって大規模な抗議が起こり、軍の圧力を受けたモラレス氏は大統領を辞任しメキシコへ逃れた。その後アルゼンチンを経て帰国し、2020年にはモラレス政権で財務相を務めたアルセ(Luis Arce)氏が大統領に就任した経緯がある。
一方、パス政権関係者はモラレス氏が国外に逃亡した可能性があると主張している。例えば、右翼系の議員はモラレス氏がメキシコにいるとの見解を示し、政府に対してその所在を明らかにするよう要求している。これに対し、治安当局は「モラレスは公式な手段では国境を越えていない」と述べ、現時点で国外脱出の証拠はないとの見解を示している。
ボリビア情勢は転換期を迎えている。2025年10月に中道寄りのパス(Rodrigo Paz)大統領が選出され、米国との関係強化を図る動きが進んでいる。この動きの一環として、麻薬取締局(DEA)のボリビアへの再進出を可能にする政策が進められており、コカ栽培地帯の農民らの間には懸念が広がっている。DEAは1990年代にボリビアで激しい麻薬戦争を展開し、その再進出が地域の緊張を高めるとの見方もある。
モラレス支持者の間では、元指導者が姿を見せていない現状に困惑や不安が広がっている。モラレス氏は先住民出身として長年にわたり社会主義政策を掲げ、ボリビア政治の中心人物であり続けたが、突然の不在は多くの疑問を呼んでいる。現時点で本人や側近から正式な説明はなく、モラレス氏がいつ公の場に戻るかは不透明なままである。
