トランプ氏がコロンビア大統領と会談、罵り合いから関係改善へ
ペトロ氏はこれまでトランプ氏を「ガザ地区におけるジェノサイド(集団殺害)の共犯者」と批判し、一方のトランプ氏はペトロ氏を「麻薬王」と呼ぶなど、互いに罵り合ってきた。
とトランプ米大統領(Getty-Images/AFP通信).jpg)
トランプ(Donald Trump)米大統領は3日、コロンビアのペトロ(Gustavo Petro)大統領をホワイトハウスに迎えて初の首脳会談を行う。両首脳の対立は極めて厳しく、互いに激しい言葉を交わしてきた歴史があるが、今回の会談は関係修復と共通課題への協調を模索する重大な機会と位置づけられている。
ペトロ氏はこれまでトランプ氏を「ガザ地区におけるジェノサイド(集団殺害)の共犯者」と批判し、一方のトランプ氏はペトロ氏を「麻薬王」と呼ぶなど、互いに罵り合ってきた。この応酬は制裁措置、関税、対コロンビア援助の停止、さらには軍事行動の示唆にも発展し、両国関係は緊張状態にあった。
こうした状況下で関係が一転したのは1月初旬だ。ペトロ氏がトランプ氏に電話をかけ、麻薬問題や意見の不一致について「説明したい」と申し入れたことを受け、トランプ氏がこれを受け入れた。トランプ氏は「コロンビア大統領との通話は大変な名誉だった」と述べ、これを契機に両首脳の対話が再開された。
首脳会談では最優先課題として麻薬密輸対策が取り上げられる見込みだ。米国は長年にわたり麻薬根絶と供給抑止を重視する政策を採用してきたが、ペトロ政権は供給抑止よりも取り締まりや需要削減、小規模コカ農家への経済的代替策を重視する立場を示している。この立場の違いは2025年、米国が「麻薬戦争に協力しない国」として初めてコロンビアを指定する事態を招いた。
ペトロ政権はこれに反発しつつも、自らの政権下で押収量が記録的な水準に達したことを強調してきた。しかし国連の研究によると、コカの栽培面積は過去最高に達し、潜在的なコカイン生産量は年間3000トン以上と推計されている。これはペトロ政権が強制的な根絶策から距離を置いた結果との分析もある。
さらに会談では、麻薬取引に絡む左翼ゲリラ「民族解放軍(ELN)」への共同対策も協議される可能性がある。ELNはベネズエラ国境付近で活動を続け、米国側は治安上の懸念を強めている。米国とコロンビア双方がこの点で協調することは、地域の安全保障強化につながるとの見方がある。
両国関係の改善は麻薬政策だけに留まらない兆しも見える。会談前にコロンビア外務省は、1年にわたり停止していた米国からの移送対象者の送還フライトが正式に再開されたと発表した。ペトロ政権は一時、米軍による送還便を「尊厳の侵害」として拒否していたが、トランプ政権の関税威嚇を受けて態度を軟化させていた。
専門家は今回の会談が「統一的かつ実質的な協力関係」を再構築する契機となる可能性を指摘する。関係が「殴り合い」から「実務的協力」へと転換することが会談の成功指標とされ、両国が長年にわたって培ってきた安全保障協力を取り戻しつつ、新たな共同戦略を打ち出せるかが焦点となる。
