ベネズエラ大統領拘束、副大統領が米軍に協力か、政権交代の行方
この事態は米国とベネズエラとの関係が、過去の軍事介入と重ね合わされるような複雑な局面を迎えたことを象徴している。
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米国とベネズエラをめぐる緊張が極限に達する中、ベネズエラ国民の間で政権の正統性と実権者をめぐる混乱が広がっている。トランプ(Donald Trump)大統領が軍事作戦で独裁者のマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領を拘束したと発表したことを受け、誰が同国を統治しているのか不透明な状況となっている。
トランプ氏は1月3日、米軍がベネズエラで「Absolute Resolve(アブソリュート・リゾルブ作戦)」を実施し、マドゥロ氏とその妻を拘束し国外へ移送したと自身のソーシャルメディアで明らかにした。また同日、トランプ氏はロドリゲス(Delcy Eloína Rodríguez Gómez)副大統領と接触したと述べ、ロドリゲス氏が「米国の要求に応える用意がある」と語った。これによりロドリゲス氏が実質的に指導権を握るとの見方を示したが、公式な就任宣誓や国営メディアによる確認はなされていない。
一方でロドリゲス氏は国営テレビで声明を発表し、マドゥロ氏が唯一の大統領であり、自身はその地位を認めないと強く反発した。ロドリゲス氏は直ちにマドゥロ夫妻の解放を要求し、米国の作戦を国連憲章違反の侵略行為と非難した。また、ベネズエラの軍部や政権側の重鎮らもロドリゲス氏と連帯し、主権と統治権の擁護を訴える声明を相次いで発表している。
トランプ氏はベネズエラの野党指導者でノーベル平和賞を受賞したマリア・コリナ・マチャド(María Corina Machado)氏については、国を率いる支援基盤が不十分だとして指導力を否定した。トランプ政権としては、ロドリゲス氏の協力を通じてベネズエラの現状を安定させる意向を示す一方で、対抗勢力への支持を表明する姿勢は見せていない。
この事態は米国とベネズエラとの関係が、過去の軍事介入と重ね合わされるような複雑な局面を迎えたことを象徴している。米国の作戦に対しては国内外から批判が噴出しており、国際社会からは主権侵害や国際法違反を懸念する声も上がっている。特に国連安全保障理事会での議論や、近隣諸国の反応が今後の外交・安全保障情勢に影響を与える可能性が指摘されている。
ベネズエラ国内では米国の行動を歓迎する意見と、強い反発を示す意見が混在し、治安部隊と民間人双方の動向が注目されている。首都カラカスを中心に一部で爆発音や軍用機の飛行が目撃されたとの報告もあり、混乱の度合いを示す象徴的な光景となっている。市民生活への影響は深刻で、経済的困難に加え政治的な不確実性が国民の不安を増幅させている。
現在のところ公式な政権交代手続きは確認されておらず、誰が実質的な統治権を持つのかは見通せない状態にある。ベネズエラの将来については、国内外の政治勢力と国際社会が関与する中で流動的な情勢が続く見込みであり、今後の展開が注視される。
