◎ベネズエラの経済は米政府によるマドゥロ政権への厳しい経済制裁とマドゥロ氏の後先考えないバラマキ政策で急速に悪化。GDPはマドゥロ氏が就任した2013年以降、右肩下がりとなり、2021年には10年前の2割以下に落ち込んだ。
ベネズエラ、大統領選に出馬したゴンザレス氏(右)とマチャド元議員(AP通信)

ベネズエラ野党指導者マチャド(María Corina Machado)元議員は9日、独裁者のマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領から政権を奪取するという誓いを新たにし、有権者に対し、全野党への支持を継続するよう訴えた。

7月末の大統領選に立候補した全野党の統一候補ゴンザレス(Edmundo González)氏は8日、当局に逮捕される恐れがあるとして、スペインへの亡命を余儀なくされた。

マチャド氏はオンライン会見で「次期大統領はゴンザレス氏であり、政権奪取を諦めていない」と強調した。

またマチャド氏はゴンザレス氏の亡命で野党が厳しい立場に立たされていることを認めたうえで、「来年1月にマドゥロが退任することを確信している」と主張した。

ゴンザレス氏は75歳の元外交官で、マチャド氏が大統領選への出馬を禁じられたことを受け、全野党の統一候補に指名された。

マドゥロ氏の支配下に置かれる選挙管理委員会は7月28日に行われた大統領選の集計結果を公表せず、現職のマドゥロ氏が得票率51%で勝利したと発表。

しかし、野党陣営は全国の電子投票機が印刷した集計表の80%以上を確保したと報告。それによると、ゴンザレス氏の得票数はマドゥロ氏に2倍以上の差をつけていたという。

米国を含む数カ国が選挙の勝者をゴンザレス氏と認定。選管に透明性のある集計結果を公表するよう呼びかけてきた。

しかし、最高裁判所は先月末、マドゥロ氏の勝利を認定。さらに首都カラカスの地方裁判所は先週、ゴンザレス氏が選挙結果を捏造し、暴動を煽ったなどとして逮捕状を発行していた。

マチャド氏はゴンザレス氏の安全が確立されたことを受け、「海外からでも野党候補の役目を果たすことができる」と述べた。

またマチャド氏は「何も変わっておらず、マドゥロは敗れたことを認め、今すぐ引継ぎを開始すべきだ」とした。

ゴンサレス氏は9日の声明で、「自分は個人的野心ではなく、国民のために働く大統領になり、民意にコミットし続ける」と表明した。

マチャド氏は記者団に対し、「ゴンサレス氏は場所に関係なくベネズエラの次期大統領であり、来年大統領に就任する日までそうあり続ける」と述べたが、今後の戦略については言及を避けた。

マドゥロ政権の要請で大統領選を視察した国連と米国の財団カーター・センターは選管が公表したデータを信頼性に欠けると判断している。

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