◎大統領選は7月28日に予定されている。
ベネズエラの首都カラカスで18日、全野党の支持を受け大統領選に立候補した元外交官のゴンザレス(Edmundo González)氏が集会を開いた。
ゴンザレス氏はマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領に大勝すると期待されていたマチャド(María Corina Machado)元議員の後任として、全野党の統一候補に選出された。
現地メディアによると、約2万人が集会に参加したという。
ゴンザレス氏はマドゥロ政権の不作為によって同国の経済が崩壊したと非難。「機会を求めて国外に逃れた数百万人が戻ってこれるような国にしたい」と訴えた。
またゴンザレス氏は、「憲法の枠内ですべての政治勢力が権力を行使できる平和的な政権を樹立すると神に誓う」と述べた。
さらに、国内外の全ての有権者に対し、「平和的かつ秩序ある政権交代に参加するよう呼びかけたい。私たちは分断から団結へ、少数派による乱用から万人のための法の支配へ、そしてこの暗い現在から万人のための品位ある未来に向かう」と強調した。
マチャド氏もステージに上がり、ゴンザレス氏を支持するよう訴えた。
大統領選は7月28日に予定されている。
同国初の女性大統領を目指していたマチャド氏は昨年10月、米政府が支援する野党の選挙管理当局が主催する大統領予備選で大勝。得票率は94%に達した。投票数は選管の予想を大きく上回り、200万人以上が投票した。
しかし、マドゥロ政権はマチャド氏に15年間の出馬禁止令を科している。
マドゥロ政権は米国の制裁緩和と引き換えに公正な選挙を行うと約束したにもかかわらず、野党を弾圧している。
米政府は昨年10月、マドゥロ政権が野党連合と選挙協定を結んだ見返りとして、経済制裁を一部緩和したものの、今年3月にこれを取り消した。
ブラジルとコロンビア政府もマドゥロ政権の弾圧に深刻な懸念を表明。グアテマラ政府はマドゥロ氏が独裁体制を強化していると非難した。
ベネズエラの経済は米国の厳しい経済制裁で急速に悪化。GDPはマドゥロ氏が就任した2013年以降、右肩下がりとなり、2021年には10年前の2割以下に落ち込んだ。