◎在アルゼンチン大使館はこの6人が命の危険にさらされているとして、3月から匿っていた。
2024年12月1日/ベネズエラ、首都カラカスの駐アルゼンチン大使館前(AP通信)

南米ベネズエラの首都カラカスにある駐アルゼンチン大使公邸に9カ月間避難していたベネズエラの野党関係者6人のうち1人が公邸を出た。現地メディアが19日に報じた。

それによると、この1人は公邸を出て自宅に戻ったという。

どのように公邸を出たかは明らかになっていない。

在アルゼンチン大使館はこの6人が命の危険にさらされているとして、3月から匿っていた。

アルゼンチン政府は先月、ベネズエラの諜報機関や警察官が公邸周辺を24時間体制でパトロールし、電気や水道サービスを削減していると非難した。

ベネズエラ政府はこの疑惑を否定している。

大使公邸に残っているのは、野党指導者マチャド(María Corina Machado)元議員の選挙事務所の関係者など。

アルゼンチンのミレイ(Javier Milei)大統領は独裁者のマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領に忠誠を誓う捜査当局が6人を恣意的に逮捕しようとしているとして、その逮捕状が発行された後、大使館への立ち入りを許可した。

マドゥロ氏の支配下に置かれる選挙管理委員会は7月末に行われた大統領選の集計結果を公表せず、マドゥロ氏が得票率51%で勝利したと宣言した。

しかし、野党陣営は全国の電子投票機が印刷した集計表の80%以上を確保・精査した結果、全野党の統一候補であるゴンザレス(Edmundo González)氏の得票数はマドゥロ氏に2倍以上の差をつけていたことが明らかになった。

米国とアルゼンチンを含む数十カ国が選挙の勝者をゴンザレス氏と認定。選管に透明性のある集計結果を公表するよう呼びかけてきた。

しかし、最高裁判所は8月末、マドゥロ氏の勝利を認定。さらにカラカスの地方裁判所は9月、ゴンザレス氏が選挙結果を捏造し、暴動を煽ったなどとして逮捕状を発行した。

この結果、ゴンザレス氏はスペインへの亡命を余儀なくされた。

欧州議会は今週、人権と思想の自由を守るために献身的な活動をしてきたとして、マチャド氏とゴンザレス氏にサハロフ賞を授与した。

マチャド氏は逮捕される恐れがあるとして、所在地を明らかにしていない。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク