ベネズエラ・マドゥロ政権、政治犯13人釈放、野党が発表
政府はこの釈放に関するコメントを出していないが、複数の野党議員と人権団体が13人の釈放を確認したと報告している。
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ベネズエラの野党と人権団体は24日、マドゥロ政権が昨年の大統領選挙後に拘束された13人を釈放したと明らかにした。
政府はこの釈放に関するコメントを出していないが、複数の野党議員と人権団体が13人の釈放を確認したと報告している。
野党指導者マチャド(María Corina Machado)氏の報道官はフェイスブックに声明を投稿。「13人のうち8人が釈放され、5人は自宅軟禁下に置かれている」と書いた。
元議会議員であるカプリレス(Henrique Capriles)氏もX(旧ツイッター)に「今日、いくつかの家族が愛する人と再会しました。多くの人がまだ残っていることを私たちは知っています。彼らを忘れることはありません。全員のために戦い続けます」と投稿した。
独裁者のマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領に忠誠を誓う選挙管理委員会は昨年7月の大統領選の集計結果を公表せず、マドゥロ氏が得票率51%で勝利したと宣言した。
しかし、野党陣営は全国の電子投票機が印刷した集計表の80%以上を確保・精査した結果、全野党の統一候補であるゴンザレス(Edmundo González)氏の得票数はマドゥロ氏に2倍以上の差をつけていたことが明らかになった。
米国やEUを含む数十カ国が選挙の勝者をゴンザレス氏と認定。選管に透明性のある集計結果を公表するよう呼びかけてきた。
しかし、最高裁判所は24年8月末、マドゥロ氏の勝利を認定。さらにカラカスの地方裁判所は同年9月、ゴンザレス氏が選挙結果を捏造し、暴動を煽ったなどとして逮捕状を発行した。
この結果、ゴンザレス氏はスペインへの亡命を余儀なくされた。
欧米諸国はこれを受け、マドゥロ政権に対する制裁を強化。トランプ米政権は今年、ベネズエラ移民の強制送還を本格化させた。
治安部隊は選挙後の抗議デモを厳しく取り締まり、少なくとも28人が死亡、220人が負傷し、約2000人が逮捕された。
地元の人権団体はこのデモで逮捕された500~1000人が裁判を受けることなく刑務所に収監されたと報告している。
米政府は今月初め、マドゥロ氏にかけている報奨金を5000万ドル(約73.6億円)に引き上げた。
ベネズエラは世界最大の石油埋蔵量を誇り、かつては南米最大の経済大国であった。しかし、その経済は米政府による制裁とマドゥロ氏の後先考えないバラマキ政策で急速に悪化。GDPはマドゥロ氏が就任した2013年以降、右肩下がりとなり、2021年には10年前の2割以下に落ち込んだ。