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ベネズエラ暫定政権が政治犯の釈放開始、マドゥロ拘束で和解進むか

ベネズエラ国内では野党や人権団体が長年にわたり政治犯の釈放を求めてきた。
2025年1月9日/ベネズエラ、首都カラカス、野党指導者のマチャド氏(中央)と支持者たち(AP通信)

ベネズエラで著名な人権活動家の釈放が報告されるなど、暫定政権が政治犯や外国人を含む多数の受刑者の釈放を進めていることが明らかになっている。これは8日、国会議長が国内外の多数の受刑者を近く釈放すると発表したのに続く動きであり、同日のうちに初の釈放確認例として人権活動家の釈放がスペイン政府筋および野党筋から報告された。

国会議長は8日、「政府は国家機関と協力し、多数のベネズエラ人および外国人の釈放を決定し、そのプロセスが現在進行中である」と述べ、釈放措置を他勢力との合意ではなく政府の「平和へのジェスチャー」と説明した。具体的な人数は明らかにしていないものの、国内の野党や人権団体が長年求めてきた要求に応える形となっている。

今回解放が確認された人権活動家はセキュリティや防衛、軍事問題に詳しいベネズエラとスペインの二重国籍を持つ権利活動家とされる。この人物は2024年2月、首都カラカス近郊の空港で拘束され、当時から国内外で解放を求める声が上がっていた。釈放が実際に進んでいることはスペイン政府の関係筋やベネズエラの野党関係者が確認した。

この釈放は、米国がマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領を麻薬・テロ関連の容疑で拘束・国外移送したことによる政治的混乱の渦中で行われている。米国上院は8日、ベネズエラへのさらなる軍事行動を制限する決議案を賛成多数で可決、米国内でも同国情勢への影響が広がっている。

ベネズエラ国内では野党や人権団体が長年にわたり政治犯の釈放を求めてきた。これらの団体は選挙に関連した抗議活動などを理由に拘束された人々が多数いると指摘し、その数は800人を超えるとする推計もある。また、その中には米国やスペインをはじめとする外国人も含まれているとされる。

一方で、当局は政治犯の存在を否定し、拘束者は様々な犯罪行為に関与していたと主張してきた。しかし、国内外の批判は根強く、今回の釈放が真に恒久的な和解に向けた一歩となるかについてはなお慎重な見方が広がっている。

スペイン外務省は、すでに5人のスペイン国民が釈放され出国準備を進めていることを歓迎する声明を出し、今回の動きを「ベネズエラが新たな段階に入るための前向きな一歩」と評価した。ただし、同省は引き続き全ての拘束者の安全かつ迅速な解放を求める姿勢を示している。

こうした動きは、ベネズエラ情勢がマドゥロ政権の崩壊や対外関係の再構築を巡る不透明な局面にある中で起きており、地域の政治的安定と人権状況の改善に向けた国際社会の注目が集まっている。

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