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解放されたベネズエラの野党指導者、自宅軟禁に

グアニパ氏は地方自治体の首長などを務め、2025年5月に「テロ計画」などの容疑で治安当局に逮捕され、8カ月にわたり拘束されていた。
2026年2月8日/ベネズエラ、首都カラカス、支持者に向けて話す野党指導者のフアン・パブロ・グアニパ氏(AP通信)

ベネズエラの野党指導者フアン・パブロ・グアニパ(Juan Pablo Guanipa)氏が刑務所から釈放後、自宅軟禁下に置かれた。同氏の息子が10日、明らかにした。グアニパ氏昨年ノーベル平和賞を受賞した野党指導者マリア・コリナ・マチャド(María Corina Machado)氏の盟友であり、政府に批判的な活動を続けてきた人物である。

グアニパ氏は地方自治体の首長などを務め、2025年5月に「テロ計画」などの容疑で治安当局に逮捕され、8カ月にわたり拘束されていた。釈放は2月8日、他の複数の野党関係者とともに行われたもので、国内外から政治犯解放への期待が高まる中で進められた。

釈放直後、グアニパ氏は支持者に向けて自身の解放を報告する動画を投稿し、将来の政治的議論や民主化への意欲を語っていた。しかし、その夜遅くに首都カラカス市内で数台の武装した男たちに身柄を拘束されたとみられる。マチャド氏はこの行為を「誘拐」と断じ、グアニパが武装した男たちによって強制的に連れ去られたと非難した。

検察当局は後に、グアニパ氏が釈放時に課された条件、毎月の出頭義務や国外渡航禁止に違反したと主張し、裁判所に対して釈放措置を取り消すよう求めたと発表した。その結果として、グアニパ氏は自宅軟禁を命じられたという。しかし、検察側は具体的な違反内容について詳細を公表していない。グアニパ氏の息子は、父親が条件を守っていたと説明し、「自宅軟禁は刑務所にいるのと同じだ」と述べ、全ての政治犯囚の即時釈放を求めた。

グアニパ氏の自宅軟禁は、釈放と再拘束が短期間で繰り返されるという異例の展開であり、国内外で波紋を広げている。人権団体や野党支持者は暫定政権が政治的弾圧を続けていると批判し、この出来事は政治的自由と法の支配への懸念を再燃させている。

ベネズエラでは2024年の大統領選挙を巡る混乱や内外の圧力の中で、政治犯の扱いが国際的な注目を集めている。政府は一部の政治犯釈放を進める一方で、反体制派に対する取り締まりを続けているとみられ、今回のグアニパ事件もその流れの一環と見られている。

グアニパ氏は現在、自宅にいるとされるが、野党側は同氏の安全と自由が完全に保障されるまで監視を続ける意向を示している。また国際社会からも透明性のある司法手続きと民主的な改革を求める声が上がっており、今後の政治状況の行方が注目されている。

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