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ベネズエラ大統領拘束、スペインの移民コミュニティが歓喜

スペインにはベネズエラ国外で最大規模の移民コミュニティが存在し、そこには主要な民主指導者も含まれている。
2026年1月3日/スペイン、首都マドリード、米軍によるベネズエラ大統領の逮捕を祝う人々(ロイター通信)

スペイン・マドリードに滞在するベネズエラの移民たちは1月3日、米軍によるベネズエラのマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領の拘束・国外移送の報を受け、歓声を上げた。

トランプ(Donald Trump)米大統領が作戦成功を発表し、マドゥロ夫妻はニューヨーク州へ移送されたと伝えられている。スペインにはベネズエラ国外で最大規模の移民コミュニティが存在し、そこには主要な民主指導者も含まれている。

マドリードで活動する野党関係者は「うれしい」と述べながらも、「移行は秩序正しく平和的かつ尊重される形で行われねばならない」と強調した。関係者は、副大統領が政権を引き継ぐ可能性には否定的で、2024年の選挙で圧倒的な支持を集めた野党指導者ゴンザレス(Edmundo González、スペインに亡命中)氏に権力を委譲すべきという見解を示した。多くの野党勢力、米国や西側諸国は2018年および2024年の大統領選挙を不正とみなし、結果を認めていない。

野党支持者の間でも、2024年7月の選挙で圧倒的多数の支持を得たゴンザレス氏が「憲法上の正当な大統領選出者」と位置づけられており、副大統領による権力継承を否定する声が強い。ある活動家は「ベネズエラ国民はゴンザレスとマリア・コリナ・マチャド(María Corina Machado)に圧倒的な票を投じた。憲法上の正統性を持つ大統領選出者だ」と語った。

一方で、野党陣営内でも見解の違いがある。2025年のノーベル平和賞受賞者であるマチャド氏は野党を統一した立役者として評価され、重要な役割を果たし得るとの声がある一方、ゴンザレス氏とどのような協力関係を築くかについては議論が続いている。専門家は、米国とベネズエラ政府内の一部勢力との非公式な協議が既に行われた可能性に言及し、平和的な移行に向けた協力体制が模索されているとの見方を示す。

野党支持者の一部は、今回の出来事が「新たな段階の始まり」であると捉えている。元野党指導者はマドゥロ政権が誇示していた軍事力が短期間で崩れた事実は政権の脆弱性を示していると指摘。「これはマチャドとゴンザレスによる移行の確立につながる段階の始まりだ」と述べている。

ただし、情勢は依然として予断を許さず、野党勢力と現政権支持層、そして軍部内の権力バランスが今後どのように変化するかは不透明だ。マドリードの反マドゥロ支援グループは移行後の暫定政権が民主的プロセスを確立し、混乱を避けるために内外の協力を必要としていると強調している。また、数百万人に上るベネズエラ移民が帰国できるかどうかも大きな課題となる見込みだ。

マドゥロ拘束を巡る国際的な反応は賛否が分かれており、この動きが地域の政治秩序や米国とラテンアメリカ諸国との関係にどのような影響を与えるかも注目されている。

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