SHARE:

ベネズエラ恩赦法、新たに政治犯16人釈放、人権団体が確認

国会議長は21日時点で1557件を超える恩赦申請が即座に処理され、何百人もの受刑者が釈放されていると述べていたが、フェロ・ペナルが確認した数は16人にとどまっている。
2026年2月19日/ベネズエラ、首都カラカスの議会議事堂前、政治犯の釈放を求める人々(AP通信)

ベネズエラで新たに成立した恩赦法に基づき、政治的理由で拘束されていた政治犯16人の釈放が新たに確認された。首都カラカスの人権団体フォロ・ペナル(Foro Penal)が22日、SNSで明らかにした。恩赦法は先週、国民議会(一院制、定数277)が可決し、ロドリゲス(Delcy Eloína Rodríguez Gómez)暫定大統領が署名・成立した。これは政治犯の解放を目指すものだが、実際の釈放者数は政府側の発表と大きく乖離している。

国会議長は21日時点で1557件を超える恩赦申請が即座に処理され、何百人もの受刑者が釈放されていると述べていたが、フェロ・ペナルが確認した数は16人にとどまっている。恩赦法が成立した後も、多くの政治犯がなお収監状態にあるという。

今回の恩赦法は1月に米軍がカラカスでマドゥロ(Nicolas Maduro)前大統領とその妻を捕らえた作戦を受けて成立したもので、政府の方針転換を象徴する政策として位置付けられている。これは政治的動機で拘束された野党政治家や活動家、人権擁護者、ジャーナリストらに広く適用される予定だ。

しかし、恩赦法に対する人権団体の反応は冷ややかだ。フォロ・ペナルをはじめとする人権団体は、恩赦法が軍人やその他重要なグループを対象外としていることを批判している。例えば軍事関係者の収監者や殺人、麻薬取引、重大な人権侵害の罪で有罪判決を受けた者は恩赦の対象外となっており、法の適用範囲が限定的だとして不十分との声が上がっている。

フォロ・ペナルによると、過去数週間で条件付きで解放された者は464人に上るが、なお600人以上が拘束されたままだという。恩赦による釈放は完全な自由を意味するものではなく、解放された人は報道機関との接触禁止、国外渡航禁止、政治活動への参加禁止など複数の制約が課されている。こうした条件は政治犯への恩赦として十分でないとして、野党や支援者たちは真の自由を保障する全面的な恩赦を求めている。

恩赦法は数十年にわたって政治的な理由で拘束されていた人々に解放の道を開く目的で成立したものの、実際の運用には懸念が残る。また、恩赦申請の処理や釈放の具体的な手続きに関しても透明性の欠如を指摘する声が多い。人権団体は引き続き、全ての政治被拘束者に対する無条件の解放と、再発防止のための司法制度改革を求めている。

一方、ベネズエラ赤十字社は恩赦法に基づく釈放手続きに協力する意向を示し、政府側の招待を受け入れてプロセスに関与することを表明している。この動きは政治的緊張の緩和と国際社会との関係改善を図る一環とみられるが、恩赦法の効果と国内外からの評価は今後の展開次第となる。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします