ベネズエラ野党指導者が記者会見、トランプ氏に謝意、ノーベル平和賞受賞
マチャド氏はこの日、オスロ到着後初めて公の場に姿を見せ、民主化への闘いを続けると改めて表明した。
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ノーベル平和賞を受賞した南米ベネズエラの野党指導者マリア・コリナ・マチャド(María Corina Machado)氏は11日、ノルウェー・オスロで記者会見を行い、トランプ(Donald Trump)米大統領が行ったいくつかの「決定的な」行動がベネズエラの独裁政権に対する圧力を強め、同政権をこれまでで最も弱体化させたとの認識を示した。
マチャド氏はこの日、オスロ到着後初めて公の場に姿を見せ、民主化への闘いを続けると改めて表明した。
マチャド氏はオスロに滞在しているが、授賞式には出席せず、娘が代理で式典に出た。公の場に姿を見せたのは11カ月ぶりであった。
マチャド氏はトランプ政権が実施した行動が「今の状況に到達するうえで決定的だった」と述べ、「マドゥロ政権は事態を深刻に受け止め、これまでで最も弱体化し、世界が見ていることを認識し始めている」と指摘した。
トランプ氏が行ったとされる措置には、ベネズエラ沖での石油タンカーの拿捕やカリブ海・東太平洋における軍事行動が含まれている。トランプ氏自身はこれらを麻薬取引阻止のための措置だと説明しているが、マチャド氏や一部の専門家、米議会議員、マドゥロ政権はこれをマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領排除の試みとみなしている。
記者からの質問に対し、マチャド氏は米国による軍事介入がマドゥロ政権排除に必要かどうかについて明言を避け、「安全な条件が整ったと信じる時にベネズエラに帰国する」と述べ、帰国は現政権の動向に左右されないと強調した。
マチャド氏は今年1月、首都カラカスでの抗議デモ参加後に短期間拘束され、その後潜伏生活を送っていたが、秘密裡に国外脱出しオスロに到着した。脱出の詳細については明らかにしなかったものの、米国政府の支援があったことに感謝の意を示した。飛行機が米メイン州バンゴーからオスロに飛んだことが飛行追跡データで確認されている。
マチャド氏はベネズエラの野党予備選挙で圧勝したものの、マドゥロ政権により2024年大統領選への立候補が阻まれた。マドゥロ政権側が選挙管理機関を掌握し、選挙結果を有利に操作したとの批判が国内外で広がった後、野党候補の代理として出馬したゴンザレス(Edmundo González)氏もベネズエラで逮捕状が出され、スペインに亡命している。
マチャド氏は会見の中で、民主主義国家に対し「言葉だけでなく行動での支援」を求め、マドゥロ政権に圧力をかけ続けるよう呼びかけた。
またマチャド氏は「我々ベネズエラ国民はあらゆる制度的手段を試してきた。今求められているのは言葉ではなく実際の行動だ」と述べた。
マチャド氏はこの日、ガール・ストーレ(Jonas Gahr Store)首相と会談し、民主化支援や新たな機関構築への協力について意見交換した。
ガール・ストーレ氏はベネズエラが民主的制度を再建するための支援を行う用意があると表明した。
