ベネズエラ暫定大統領が賃上げ約束、経済危機続く中
ロドリゲス氏は国営テレビの演説で、公共・民間の労働者に対し「変化は一夜にして起こるものではない」と述べ、経済回復には時間が必要だと強調した。
.jpg)
ベネズエラのロドリゲス(Delcy Eloína Rodríguez Gómez)暫定大統領は8日、深刻な経済危機が続く中で労働者に「忍耐」を求めるとともに、5月に賃上げを行う方針を明らかにした。国民生活の困窮が続くなか、政府の経済再建策の行方が注目されている。
ロドリゲス氏は国営テレビの演説で、公共・民間の労働者に対し「変化は一夜にして起こるものではない」と述べ、経済回復には時間が必要だと強調した。そのうえで、5月1日に賃上げを行うと約束したが、具体的な引き上げ幅については明らかにしなかった。賃上げはインフレをさらに悪化させないよう「責任ある形」で実施するとしている。
ベネズエラでは長年の経済混乱により、賃金水準が著しく低下している。法定最低賃金は2022年以来据え置かれ、現在は月額わずか数十セントにとどまる。公務員の収入も各種手当を含めて月約160ドル程度とされ、生活必需品の購入にも苦労する状況が続く。
一方、物価上昇は極めて深刻で、国際通貨基金(IMF)は同国のインフレ率を600%超と推計している。食料など基本的な生活費は月500ドルを超え、多くの家庭が最低限の生活を維持できない状態にある。こうした中、首都カラカスでは賃上げを求めるデモが予定されており、社会的不満が高まっている。
ロドリゲス政権は石油や鉱業といった資源分野の生産回復や外国投資の呼び込みを通じて、段階的に賃金水準を引き上げる方針を掲げている。今回の賃上げもその一環と位置づけられ、短期的な人気取りではなく持続可能性を重視する姿勢を示した。
またロドリゲス氏は労働者と民間企業、政府が協力しながら「持続的な回復と成長の道」を築く必要があると訴え、国民に対して忍耐と協調を呼びかけた。将来的には資源収入の増加に応じてさらなる所得改善を進める考えも示している。
ベネズエラでは1月初め、マドゥロ(Nicolas Maduro)前大統領が米国の軍事作戦で拘束されたことを受け、ロドリゲス氏が暫定的に政権を担っている。政治体制の不安定さが続く中で、経済立て直しと国民生活の改善をいかに実現するかが大きな課題となっている。
今回示された賃上げ方針は困窮する国民への一定の配慮を示すものではあるが、急激なインフレと低賃金の構造的問題を解決できるかは不透明である。政府が掲げる段階的な経済再建が実際に成果を上げるのか、今後の政策運営と社会の反応に注目が集まっている。
