◎エセキボは石油資源が豊富で、過去数十年ガイアナの支配下に置かれている。その面積はガイアナの国土の7割近くを占める。
剣を振り回すベネズエラのマドゥロ大統領(Getty Images)

ベネズエラのマドゥロ(Nicolás Maduro)大統領が4日、隣国ガイアナと領有権を争っている係争地エセキボ地域は自国の領土であると宣言した。

エセキボは石油資源が豊富で、過去数十年ガイアナの支配下に置かれている。その面積はガイアナの国土の7割近くを占める。

マドゥロ氏はガイアナがイギリスの植民地であった1899年にイギリス、ロシア、米国が国境を決めて以来、「ガイアナがエセキボを盗んだ」と繰り返し非難していた。

そしてマドゥロ政権は昨年末、エセキボに対するベネズエラの領有権主張の是非を問う国民投票を実施。マドゥロ氏は95%が賛成票を投じたことを受け、エセキボに対する主張を強化し、ガイアナ政府を「泥棒野郎」と罵った。

国営テレビによると、マドゥロ氏はこの国民投票の結果を認定する法案に署名。「エセキボはベネズエラの領土である」と宣言したという。

法律の詳細は明らかにされていない。

ガイアナ外務省は4日、マドゥロ政権を非難。「国際法を完全に無視している」と断じた。

マドゥロ氏は3日、X(旧ツイッター)に声明を投稿。「我が国固有の領土であるエセキボは昨年12月の国民投票でその地位を確立。そこを防衛するために必要な措置を継続する」と書き込んだ。

ガイアナ政府はその数時間後、Xでこう反論した。「この所有権を争いたいのであれば、国際司法裁判所(ICJ)に訴状を提出すべきである」

ベネズエラ当局がエセキボの管轄権をどのように確立するかは不明である。マドゥロ氏は「領有権争いが解決するまで、その管理権は私の手に、その立法権は議会が有することになる」と主張したが、詳細は明らかにしなかった。

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