◎独裁者のマドゥロ大統領が103人の釈放を許可した。
2024年7月30日/ベネズエラ、首都カラカス、大統領選の結果に抗議する女性(AP通信)

南米ベネズエラのマドゥロ政権が12日、今年7月の大統領選後の抗議デモ中に逮捕された103人を釈放した。

国営テレビによると、独裁者のマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領が103人の釈放を許可したという。

大統領府は声明で、「マドゥロ大統領は選挙期間中に行われた暴力行為や犯罪に関するすべての事件を見直すよう関係閣僚に指示し、今回の決定に至った」と説明した。

103人は10日から12日にかけて釈放された。刑務所当局はこの釈放について、「政府による先月末の決定に基づいている」と述べた。

政府は先月にも数十人の政治犯を釈放している。地元メディアは少なくとも70人が釈放されたと報じていた。

報道によると、政府は先月、225人の釈放を許可し、その一部に裁判所に出頭するよう命じていたという。

今回釈放された103人は裁判所で何かしらの調査を受けたとみられる。

選挙の結果に抗議するデモは首都カラカスを含む複数の都市で行われ、治安部隊の取り締まりにより少なくとも28人が死亡、200人近くが負傷、約2000人が逮捕された。

マドゥロ氏の支配下に置かれる選挙管理委員会は7月28日に行われた大統領選の集計結果を公表せず、マドゥロ氏が得票率51%で勝利したと宣言した。

しかし、野党陣営は全国の電子投票機が印刷した集計表の80%以上を確保・精査した結果、全野党の統一候補であるゴンザレス(Edmundo González)氏の得票数はマドゥロ氏に2倍以上の差をつけていたことが明らかになった。

米国を含む数十カ国が選挙の勝者をゴンザレス氏と認定。選管に透明性のある集計結果を公表するよう呼びかけてきた。

しかし、最高裁判所は8月末、マドゥロ氏の勝利を認定。さらにカラカスの地方裁判所は9月、ゴンザレス氏が選挙結果を捏造し、暴動を煽ったなどとして逮捕状を発行した。

この結果、ゴンザレス氏はスペインへの亡命を余儀なくされた。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク