▽コレア氏は人権や言論の自由を擁護する著名な大学教授であり、独裁者のマドゥロ大統領の3期目に抗議する活動家のひとりである。
南米ベネズエラの著名な反体制派であるカルロス・コレア(Carlos Correa)氏が16日、勾留から解放された。
ロイター通信によると、首都カラカスの警察当局は16日未明にコレア氏を解放したという。
コレア氏は人権や言論の自由を擁護する著名な大学教授であり、独裁者のマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領の3期目に抗議する活動家のひとりである。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは7日、コレア氏がカラカスの通りで正体不明の集団に拉致されたと明らかにした。
アムネスティは声明で、マドゥロ政権が政治的動機により、著名な活動家や野党政治家を恣意的に拘束していると非案。コレア氏を含む拘束された人々を釈放するよう要求した。
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のターク(Volker Turk)高等弁務官もコレア氏の釈放を求めていた。
警察当局はコレア氏を解放した理由を明らかにしていない。
マドゥロ氏に忠誠を誓う選挙管理委員会は昨年7月の大統領選の集計結果を公表せず、マドゥロ氏が得票率51%で勝利したと言した。
しかし、野党陣営は全国の電子投票機が印刷した集計表の80%以上を確保・精査した結果、全野党の統一候補であるゴンザレス(Edmundo González)氏の得票数はマドゥロ氏に2倍以上の差をつけていたことが明らかになった。
米国やEUを含む数十カ国が選挙の勝者をゴンザレス氏と認定。選管に透明性のある集計結果を公表するよう呼びかけてきた。
しかし、最高裁判所は8月末、マドゥロ氏の勝利を認定。さらにカラカスの地方裁判所は9月、ゴンザレス氏が選挙結果を捏造し、暴動を煽ったなどとして逮捕状を発行した。
この結果、ゴンザレス氏はスペインへの亡命を余儀なくされた。
米政府は10日、マドゥロ氏が3期目をスタートさせたことを受け、高官8人に新たな制裁を科し、さらにマドゥロ氏にかけている報奨金を1500万ドルから2500万ドルに引き上げた。