◎この数週間で釈放された市民は910人にのぼる。
ベネズエラ、首都カラカス、サンタコスを披露するマドゥロ大統領(Getty Images)

ベネズエラ政府が今年7月の大統領選に抗議するデモで拘束した市民177人を釈放した。司法省が23日、明らかにした。

それによると、この数週間で釈放された市民は910人にのぼるという。

しかし、地元の人権団体は釈放されたとみられる人々の中に所在地を確認できていない人がいると懸念を示している。

選挙の結果に抗議するデモは首都カラカスを含む複数の都市で行われ、治安部隊の取り締まりにより少なくとも28人が死亡、200人近くが負傷、約2000人が逮捕された。

人権団体は少なくとも3人が刑務所内で亡くなったと報告しているが、警察はコメントを出していない。

マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領に忠誠を誓う選挙管理委員会は7月28日に行われた大統領選の集計結果を公表せず、マドゥロ氏が得票率51%で勝利したと宣言した。

しかし、野党陣営は全国の電子投票機が印刷した集計表の80%以上を確保・精査した結果、全野党の統一候補であるゴンザレス(Edmundo González)氏の得票数はマドゥロ氏に2倍以上の差をつけていたことが明らかになった。

米国やEUを含む数十カ国が選挙の勝者をゴンザレス氏と認定。選管に透明性のある集計結果を公表するよう呼びかけてきた。

しかし、最高裁判所は8月末、マドゥロ氏の勝利を認定。さらにカラカスの地方裁判所は9月、ゴンザレス氏が選挙結果を捏造し、暴動を煽ったなどとして逮捕状を発行した。

この結果、ゴンザレス氏はスペインへの亡命を余儀なくされた。

人権団体は12月上旬の時点で1877人の政治犯が恣意的に逮捕され、公正な裁判を受けることなく、刑務所で非人道的な扱いを受けていると報告していた。

政府は12月12日にも市民103人を釈放している。

欧州議会は先週、人権と思想の自由を守るために献身的な活動をしてきたとして、ゴンザレス氏と野党指導者マチャド(María Corina Machado)元議員にサハロフ賞を授与した。

マチャド氏は逮捕される恐れがあるとして、所在地を明らかにしていない。

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