▽ガイアナ政府は3月、ICJに対し、ベネズエラがエセキボ地域で選挙を計画しているとして、阻止するよう要請していた。
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南米ベネズエラ政府は2日、隣国ガイアナとの係争地エセキボ地域における国際司法裁判所(ICJ)の判決を一蹴し、予定通り地方議会選挙を行うと主張した。
ICJは1日、ベネズエラ政府がエセキボ地域で選挙を行うことは違法であると裁定した。
ICJは過去にも同様の判決を下している。
独裁者のマドゥロ(Nicolás Maduro)大統領は声明で、「国際法はICJが主権国家の選挙に干渉したり、禁止しようとすることを認めていない」と主張した。
エセキボは石油資源が豊富で、過去数十年ガイアナの支配下に置かれている。その面積はガイアナの国土の7割近くを占める。
マドゥロ氏はガイアナがイギリスの植民地であった1899年にイギリス、ロシア、米国が国境を決めて以来、「ガイアナがエセキボを盗んだ」と繰り返し非難してきた。
マドゥロ氏はICJを「米国の手下」と呼んでいる。
ガイアナ政府は3月、ICJに対し、ベネズエラがエセキボ地域で選挙を計画しているとして、阻止するよう要請していた。
ベネズエラでは5月25日に統一地方選が行われる予定だ。
ガイアナは2018年、1899年の国境決定が有効で拘束力があるとの裁定をICJに求めた。ベネズエラ政府は1966年にガイアナと結んだ合意が1899年の国境決定を事実上無効にしたと主張している。
マドゥロ氏は昨年、ICJ裁判が続いているにもかかわらず、この地域にベネズエラの自治体を発足させる法律を施行した。
さらにマドゥロ氏は23年末、エセキボに対するベネズエラの領有権主張の是非を問う国民投票を実施。マドゥロ氏は95%が賛成票を投じたことを受け、エセキボを武力で併合すると脅した。
数日後、カリブ海諸国の指導者たちはブラジルおよび国連とともに緊急サミットを開催。ベネズエラとガイアナは武力行使を控えることで合意した。
ベネズエラの沿岸警備隊は米エクソンモービル社が管理するガイアナ沖の石油鉱区に何度も接近。ガイアナはこれを領海侵犯と糾弾している。エクソン社はガイアナ沖で日量64万5000バレルの石油を生産している。
ベネズエラ政府はガイアナとその関係企業がベネズエラの領海を不法占拠していると主張している。