◎政府与党はここ数十年で最も厳しい選挙戦を強いられている。
2024年6月1日/ベネズエラ、首都カラカス、マチャド元議員(AP通信)

ベネズエラの未来をかけた大統領選が28日に行われる。

有権者は未曽有の経済危機を引き起こした独裁者のマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領か、全野党の統一候補である元外交官のゴンザレス(Edmundo González)氏か、どちらかを選ぶことになる。

政府与党はここ数十年で最も厳しい選挙戦を強いられている。

マドゥロ氏はゴンサレス氏と他の8人の候補の挑戦を受ける。

マドゥロ氏とゴンザレス氏の陣営は25日、首都カラカスで最後の大規模集会を開き、勝利を誓った。

この選挙は誰が勝利しても、中南米の移民の流れに大きな影響を与えると予想されている。

ベネズエラの経済は米政府によるマドゥロ政権への厳しい経済制裁で急速に悪化。GDPはマドゥロ氏が就任した2013年以降、右肩下がりとなり、2021年には10年前の2割以下に落ち込んだ。

その結果、770万人以上が国外に逃亡。その多くが米国への移住を夢見て、南部国境を目指している。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)はベネズエラにおける過去11年間の移民流出を「アメリカ大陸史上最大級」と評している。

多くのベネズエラ人移民は他の中南米諸国やカリブ海諸国にとどまり、米国に狙いを定めている。

カラカスに拠点を置く調査会社デルフォスが4月に実施した全国世論調査によると、マドゥロ氏が再び勝利した場合、4分の1が米国に移住したいと回答したという。

そのうち約47%は野党が勝利すれば母国にとどまると答え、ほぼ同数が、誰が勝利しても経済が改善すれば母国にとどまると回答した。

この選挙で最も話題になっている女性、マチャド(María Corina Machado)元議員は立候補していない。

同国初の女性大統領を目指していたマチャド氏は昨年10月、米政府が支援する全野党の選挙管理当局が主催する大統領予備選で得票率90%超を獲得。その投票数は選管の予想を大きく上回った。

しかし、マドゥロ政権はマチャド氏に15年間の出馬禁止令を科しているため、野党はその後、元外交官のゴンサレス氏を統一候補に指名した。

マチャド氏は政府与党の腐敗と失政を批判。地元の独立系メディアが最近行った世論調査によると、マチャド氏が選挙に立候補した場合、マドゥロ氏を圧倒する可能性が高い。

米政府は昨年10月、マドゥロ政権が野党連合と選挙協定を結んだ見返りとして、経済制裁を一部緩和したものの、今年3月にこれを取り消した。

ブラジルのルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領は今週、マドゥロ氏に対し、大統領選の結果を尊重するよう要請。この選挙を「ベネズエラが正常な状態に戻る唯一のチャンス」と評した。

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