▽独裁者のマドゥロ大統領は1月10日に3期目の就任式を迎える。
南米ベネズエラのマドゥロ政権が6日、同国の野党指導者を支持したとして、パラグアイとの外交関係を断絶した。
パラグアイのペニャ(Santiago Peña)大統領は5日、ベネズエラの野党指導者ゴンザレス(Edmundo González)氏と会談。同氏を昨年7月の大統領選の勝者と呼んだ。
ベネズエラ外務省はこれを受け、駐パラグアイ大使に国外退去を命じた。
独裁者のマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領は1月10日に3期目の就任式を迎える。
ペニャ氏は6日、X(旧ツイッター)への投稿で「我が国はゴンザレス氏の勝利を認めるだけでなく、ベネズエラの民主主義の速やかな回復に貢献するために、国際社会と協力し続けることにコミットする」と書いた。
ベネズエラ外務省はペニャ氏の発言を拒絶し、パラグアイとの国交を断絶すると発表した。
パラグアイ外務省はこれを受け、ゴンザレス氏を改めて大統領選の勝者と認め、駐ベネズエラ大使に48時間以内に退去するよう命じた。
マドゥロ氏に忠誠を誓う選挙管理委員会は大統領選の集計結果を公表せず、マドゥロ氏が得票率51%で勝利したと宣言した。
しかし、野党陣営は全国の電子投票機が印刷した集計表の80%以上を確保・精査した結果、全野党の統一候補であるゴンザレス氏の得票数はマドゥロ氏に2倍以上の差をつけていたことが明らかになった。
米国とEUを含む数十カ国が選挙の勝者をゴンザレス氏と認定。選管に透明性のある集計結果を公表するよう呼びかけてきた。
しかし、最高裁判所は8月末、マドゥロ氏の勝利を認定。さらにカラカスの地方裁判所は9月、ゴンザレス氏が選挙結果を捏造し、暴動を煽ったなどとして逮捕状を発行した。
この結果、ゴンザレス氏はスペインへの亡命を余儀なくされた。
米ホワイトハウスは6日、バイデン(Joe Biden)大統領がゴンザレス氏と面会したと明らかにした。
ベネズエラの経済は米政府によるマドゥロ政権への厳しい経済制裁とマドゥロ氏の後先考えないバラマキ政策で急速に悪化。GDPはマドゥロ氏が就任した2013年以降、右肩下がりとなり、2021年には10年前の2割以下に落ち込んだ。
現在のGDPはピーク時の4分の1となり、その結果、800万人近くが国外に流出。その多くが他の中南米諸国を経由して米国への移住を目指している。