◎マドゥロ政権と野党の対話は1年前に中断された。
ベネズエラ政府は4日、野党との協議を再開する可能性があると示唆した。
AP通信は野党党首グアイド(Juan Guaido)氏に近い関係者の話を引用し、「双方の代表団は11月中頃にメキシコシティで会談する可能性がある」と報じている。
マドゥロ政権と野党の対話は1年前に中断された。
米国とEUを含む数十カ国は2018年の大統領選に立候補したグアイド氏をベネズエラの暫定大統領と認めている。
しかし、マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領は西側の主張を退け、米国を「ヤンキー帝国」と非難し、中国とロシアの背後に回った。
AP通信によると、協議の争点は苦境に立たされている経済、外貨不足、インフレ、2024年の大統領選などになる予定だという。
ただし、マドゥロ氏はまだ代表を指名していないようだ。
前回の協議はノルウェーの仲介の下、メキシコシティで開催された。しかし、カーボベルデ共和国がマドゥロ氏の盟友サアブ(Alex Saab)氏を米国に引き渡したことを受け、マドゥロ政権は昨年10月に協議を一方的に打ち切った。
ベネズエラ経済はマドゥロ政権の不作為と米国の制裁でボロボロになり、この数年で市民700万人が国外に流出したと推定されている。
マドゥロ氏は協議を打ち切った際、サアブ氏の解放を協議再開の条件としていた。
一方、米政府はベネズエラの金や原油が制裁下で輸出されている問題にサアブ氏が関与していると考えている。
またサアブ氏はマドゥロ氏とその家族、側近による汚職に関する秘密も握っているとみられる。
フロリダ州検察は2019年、ベネズエラ政府による低所得者向け住宅プロジェクトから3億5000万ドル以上を吸い上げたとされる贈収賄に関与したとしてサアブ氏を起訴した。