◎独裁者のマドゥロ大統領は来月10日の宣誓式で3期目をスタートさせる予定だ。
ベネズエラ大統領選に立候補したゴンザレス氏(右)と野党指導者のマチャド元議員(AP通信)

南米ベネズエラの野党党首は10日、新大統領の任期が始まる来月までに政権交代を実現したいと表明した。

野党指導者のマチャド(María Corina Machado)元議員はスペイン・マドリードのイベントにオンラインで参加し、平和的な権力移譲を望むと強調した。

またマチャド氏は野党がマドゥロ政権に交渉の条件を提示したと述べたが、その詳細は明らかにしなかった。

独裁者のマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領は来月10日の宣誓式で3期目をスタートさせる予定だ。

マドゥロ氏の支配下に置かれる選挙管理委員会は7月28日に行われた大統領選の集計結果を公表せず、マドゥロ氏が得票率51%で勝利したと宣言した。

しかし、野党陣営は全国の電子投票機が印刷した集計表の80%以上を確保・精査した結果、全野党の統一候補であるゴンザレス(Edmundo González)氏の得票数はマドゥロ氏に2倍以上の差をつけていたことが明らかになった。

米国を含む数十カ国が選挙の勝者をゴンザレス氏と認定。選管に透明性のある集計結果を公表するよう呼びかけてきた。

しかし、最高裁判所は8月末、マドゥロ氏の勝利を認定。さらにカラカスの地方裁判所は9月、ゴンザレス氏が選挙結果を捏造し、暴動を煽ったなどとして逮捕状を発行した。

この結果、ゴンザレス氏はスペインへの亡命を余儀なくされた。

マチャド氏は逮捕される恐れがあるとして、所在地を明らかにしていない。

マチャド氏はイベントの中で、「行き詰まっているのはマドゥロであり、私たちではない」と強調した。「政権移行はその前になるかもしれないし、当日かもしれないし、後になるかもしれない...」

マチャド氏は野党が政府に提示したとされる条件の詳細を明らかにしなかったが、野党は以前から、恣意的に拘留されている数百人の政治犯を解放することが最優先事項であると繰り返し述べてきた。

ゴンサレス氏は10日、記者団に対し、「ベネズエラに戻って大統領に就任する意思がある」と語った。

マドゥロ氏がゴンサレス氏の入国を認めるかは不明である。

ベネズエラの経済は米政府によるマドゥロ政権への厳しい経済制裁とマドゥロ氏の後先考えないバラマキ政策で急速に悪化。GDPはマドゥロ氏が就任した2013年以降、右肩下がりとなり、2021年には10年前の2割以下に落ち込んだ。

現在のGDPはピーク時の4分の1となり、その結果、800万人近くが国外に流出。その多くが他の中南米諸国を経由して米国への移住を目指している。

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