▽捜査当局は指名手配書のように見えるゴンザレス氏の写真も投稿した。
ベネズエラ政府は2日、昨年7月の大統領選に出馬した野党指導者ゴンザレス(Edmundo González)氏の所在に関する情報に対し、10万ドルの報奨金を出すと発表した。
独裁者のマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領に忠誠を誓う捜査当局はインスタグラムに声明を投稿。「ゴンザレスの居場所に関する情報を提供した者に10万ドルの報奨金を出す」と書いた。
また捜査当局は指名手配書のように見えるゴンザレス氏の写真も投稿した。
選挙管理委員会は昨年7月末に行われた大統領選の集計結果を公表せず、マドゥロ氏が得票率51%で勝利したと宣言した。
しかし、野党陣営は全国の電子投票機が印刷した集計表の80%以上を確保・精査した結果、全野党の統一候補であるゴンザレス氏の得票数はマドゥロ氏に2倍以上の差をつけていたことが明らかになった。
米国やEUを含む数十カ国が選挙の勝者をゴンザレス氏と認定。選管に透明性のある集計結果を公表するよう呼びかけてきた。
しかし、最高裁判所は8月末、マドゥロ氏の勝利を認定。さらにカラカスの地方裁判所は9月、ゴンザレス氏が選挙結果を捏造し、暴動を煽ったなどとして逮捕状を発行した。
この結果、ゴンザレス氏はスペインへの亡命を余儀なくされた。
この透明性の欠如は世界的な非難に発展。マドゥロ氏は忠誠を誓った部下で固められた高等裁判所に対し、選挙結果を監査するよう命じた。その後、高裁はマドゥロ氏の勝利を再確認した。「あなたの勝ちです。大統領閣下」
マドゥロ氏は1月10日の就任式で勝手に宣誓する予定だ。
一方、ゴンサレス氏は「その日までに帰国するつもり」と述べているが、どのように帰国するのか、また到着後にどうするつもりなのかは明らかにしていない。
ベネズエラの経済は米政府によるマドゥロ政権への厳しい経済制裁とマドゥロ氏の後先考えないバラマキ政策で急速に悪化。GDPはマドゥロ氏が就任した2013年以降、右肩下がりとなり、2021年には10年前の2割以下に落ち込んだ。
現在のGDPはピーク時の4分の1となり、その結果、800万人近くが国外に流出。その多くが他の中南米諸国を経由して米国への移住を目指している。