ベネズエラ野党指導者「マドゥロに圧力を」米政府に対応求める

マチャド氏はベネズエラで最も人気のある野党指導者であり、昨年の大統領選への出馬を禁じられ、逮捕される恐れがあるとして、所在地を明らかにしていない。
ベネズエラ、首都カラカス、マチャド氏(AP通信)

南米ベネズエラの野党指導者マチャド(María Corina Machado)氏は18日、トランプ米政権に対し、マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領への圧力を強化するよう呼びかけた。

マチャド氏はベネズエラで最も人気のある野党指導者であり、昨年の大統領選への出馬を禁じられ、逮捕される恐れがあるとして、所在地を明らかにしていない。

西側諸国はマドゥロ氏の再選を認めていない。欧米諸国はマドゥロ氏が野党陣営に対する弾圧を強化したとして、新たな制裁を科した。

マチャド氏はロイター通信の取材に対し、「ベネズエラの混乱は米国の安全保障にも大きな影響を与えている」と語った。

またマチャド氏は「米政府はマドゥロに対し、制裁の強化や政府とつながりがある犯罪ネットワークとの闘いを含む、さらなる措置を講じる必要がある」と強調した。

さらに「野党は現在、米政府や欧州諸国に対し、マドゥロと関連する犯罪ネットワークに関する情報を公開するよう求めている」と明らかにした。

マドゥロ氏に忠誠を誓う選挙管理委員会は24年7月末に行われた大統領選の集計結果を公表せず、マドゥロ氏が得票率51%で勝利したと宣言した。

しかし、野党陣営は全国の電子投票機が印刷した集計表の80%以上を確保・精査した結果、全野党の統一候補であるゴンザレス(Edmundo González)氏の得票数はマドゥロ氏に2倍以上の差をつけていたことが明らかになった。

米国、EU、アルゼンチンを含む数十カ国が選挙の勝者をゴンザレス氏と認定。選管に透明性のある集計結果を公表するよう呼びかけてきた。

しかし、最高裁判所は24年8月、マドゥロ氏の勝利を認定。さらにカラカスの地方裁判所は同年9月、ゴンザレス氏が選挙結果を捏造し、暴動を煽ったなどとして逮捕状を発行した。

この結果、ゴンザレス氏はスペインへの亡命を余儀なくされた。

米国はマドゥロ政権の複数の個人を制裁対象に追加。ベネズエラ政府や軍の高官、マドゥロ氏を含む多くの関係者に対し、麻薬密売の容疑で起訴するなどの措置を講じている。

ベネズエラの経済は米政府によるマドゥロ政権への厳しい経済制裁とマドゥロ氏の後先考えないバラマキ政策で急速に悪化。GDPはマドゥロ氏が就任した2013年以降、右肩下がりとなり、2021年には10年前の2割以下に落ち込んだ。

現在のGDPはピーク時の4分の1となり、その結果、800万人近くが国外に流出。その多くが他の中南米諸国を経由して米国への移住を目指している。

米国はベネズエラの石油買い手に対して25%の追加関税も課している。

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