◎ゴンザレス氏は7日にベネズエラを発ち、その日の夕方、家族と共にスペイン・マドリードの空軍基地に到着した。
ベネズエラ、大統領選に出馬したゴンザレス氏(右)とマチャド元議員(Getty Images)

7月末のベネズエラ大統領選に立候補し、スぺインへの亡命を余儀なくされた全野党の統一候補ゴンザレス(Edmundo González)氏が8日、自国の民主主義を守るために戦い続けると誓った。

ゴンザレス氏は7日にベネズエラを発ち、その日の夕方、家族と共にスペイン・マドリードの空軍基地に到着した。

首都カラカスの地方裁判所は先週、ゴンザレス氏が選挙結果を捏造し、暴動を煽ったなどとして逮捕状を発行していた。

当局はゴンザレス氏が検察の出頭要請を3回無視したと非難。地裁に令状を求めたとしている。

ゴンザレス氏の報道官は8日に音声メッセージを公開。ゴンザレス氏はその中で、「ベネズエラの自由と民主主義を回復するための闘いを続けられると確信している」と述べた。

またゴンザレス氏は連帯を示した有権者や同盟国の関係者に謝意を示し、「政府の圧力を受け、亡命を余儀なくされた」と強調した。

これに先立ち、同国の野党指導者であるマチャド(María Corina Machado)元議員もコメントを出し、マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領を厳しく非難した。

マチャド氏は「選挙後の残忍な弾圧の波がゴンザレス氏の命を危険にさらし、その結果、家族と共に出国を余儀なくされた」と述べた。

ゴンザレス氏は75歳の元外交官で、マチャド氏が大統領選への出馬を禁じられたことを受け、全野党の統一候補に指名された。

マドゥロ氏の支配下に置かれる選挙管理委員会は7月28日に行われた大統領選の集計結果を公表せず、現職のマドゥロ氏が得票率51%で勝利したと発表。

しかし、野党陣営は全国の電子投票機が印刷した集計表の80%以上を確保したと報告。それによると、ゴンザレス氏の得票数はマドゥロ氏に2倍以上の差をつけていたという。

米国を含む数カ国が選挙の勝者をゴンザレス氏と認定。選管に透明性のある集計結果を公表するよう呼びかけてきた。

しかし、最高裁判所は先月末、マドゥロ氏の勝利を認定した。

米国のブリンケン(Antony Blinken)国務長官は8日、ゴンザレス氏の亡命について、「マドゥロ政権の反民主的な措置が招いたものである」と非難した。

またブリンケン氏は「選挙結果と民意を無視することはできない」と強調。「米政府はベネズエラの自由と民主主義の回復のための闘いを続けるというゴンサレス氏の呼びかけに賛同する」と述べた。

EUのボレル(Josep Borrell)外交安全保障上級代表もゴンザレス氏への連帯を表明し、「政治指導者が亡命を余儀なくされるような事態になったことを遺憾に思う」と述べた。

米政府は先週、マドゥロ政権の動き次第では、新たな制裁を科す可能性があると示唆した。

米政府は昨年10月、野党連合と選挙協定を結んだ見返りとして、経済制裁を一部緩和したものの、マチャド氏が大統領選に立候補できなかったことなどを受け、今年3月にこれを取り消した。

ベネズエラの経済は米政府によるマドゥロ政権への厳しい経済制裁とマドゥロ氏の後先考えないバラマキ政策で急速に悪化。GDPはマドゥロ氏が就任した2013年以降、右肩下がりとなり、2021年には10年前の2割以下に落ち込んだ。

現在のGDPはピーク時の4分の1となり、その結果、800万人近くが国外に流出。その多くが他の中南米諸国を経由して米国への移住を目指している。

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