▽米政府は4日、シェブロンによるベネズエラ産石油の輸出許可を打ち切ると発表。4月3日までにベネズエラからの輸出を停止する必要がある。
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ベネズエラのマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領は8日、トランプ米政権が石油大手シェブロンに対するベネズエラ産石油の輸出許可を打ち切ったことに言及し、ベネズエラ移民を米国から送還する政策に影響が出る可能性があると警告した。
米政府は4日、シェブロンによるベネズエラ産石油の輸出許可を打ち切ると発表。4月3日までにベネズエラからの輸出を停止する必要がある。
カリフォルニア州に本社を置くシェブロンは米政府によるベネズエラ制裁を免除され、米国内にベネズエラ産石油を輸入・販売することを許可されてきた。
世界最大の石油埋蔵量を誇るベネズエラの石油産業は第1次トランプ政権時代の経済制裁で行き詰まった。
マドゥロ氏は声明で、「私ならシェブロンの許可を延長する」と主張した。
またマドゥロ氏は「この決定後、両国間の連絡体制がうまく機能しなくなり、米国発の便が出発を見送っている」と明らかにした。
さらに「米政府の制裁が続く限り、不法移民を受け入れることはない」と述べ、米国に渡った数百万人のベネズエラ人を送還できるかどうかはトランプ(Donald Trump)大統領次第であるとけん制した。
トランプ氏は不法移民とフェンタニルによる脅威を理由に、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく国家非常事態を宣言。メキシコ国境に軍を展開し、軍用機で不法移民を送還するなど、様々な移民対策を導入している。
ベネズエラは世界最大の石油埋蔵量を誇り、かつては南米最大の経済大国であった。しかし、その経済は米政府による制裁とマドゥロ氏の後先考えないバラマキ政策で急速に悪化。GDPはマドゥロ氏が就任した2013年以降、右肩下がりとなり、2021年には10年前の2割以下に落ち込んだ。
現在のGDPはピーク時の4分の1となり、その結果、800万人近くが国外に流出。その多くが他の中南米諸国を経由して米国への移住を目指している。