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▽米政府はベネズエラ産原油・天然ガスを購入するすべての国に対し、25%の追加関税を課している。
2024年3月16日/ベネズエラ、首都カラカス、支持者に手を振るマドゥロ大統領(AP通信)

南米ベネズエラの国民議会(一院制、定数277)は10日、マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領が提案した経済緊急事態を宣言する政令を賛成多数で可決した。

マドゥロ氏は前日、経済緊急事態令に署名したと明らかにしていた。

トランプ(Donald Trump)米大統領は先月、ベネズエラの国営石油会社PDVSAの原油・天然ガスの購入認可を取り消した。

また米政府はベネズエラ産原油・天然ガスを購入するすべての国に対し、25%の追加関税を課している。

経済緊急事態令により、マドゥロ氏は経済成長を促進し、インフレを抑制し、投資家に特別待遇を提供し、輸入代替メカニズムを確立するなどの措置を講じることができるようになる。

石油省は声明で、「この政令はエネルギー生産をサポートすることを目的としている」と述べた。

米国はベネズエラで操業している石油会社(米シェブロン、伊エニ、スペインのレプソルなど)に対し、ベネズエラでの操業と輸出を5月27日までに停止するよう命じている。

バイデン前政権は対ベネズエラ制裁の例外として、スペインやインドなどに対し、PDVSAの原油・天然ガスの輸入を認めてきた。

トランプ氏が通知を出して以来、ほとんどの企業がベネズエラ産原油の輸入を停止している。

ベネズエラは世界最大の石油埋蔵量を誇り、かつては南米最大の経済大国であった。しかし、その経済は米政府による制裁とマドゥロ氏の後先考えないバラマキ政策で急速に悪化。GDPはマドゥロ氏が就任した2013年以降、右肩下がりとなり、2021年には10年前の2割以下に落ち込んだ。

現在のGDPはピーク時の4分の1となり、その結果、800万人近くが国外に流出。その多くが他の中南米諸国を経由して米国への移住を目指している。

トランプ氏はマドゥロ氏が政治改革を行わず、移民問題でも必要な対策を講じていないと非難してきた。

2020年のトランプ第1次政権による同様の措置はベネズエラの原油生産量と輸出量を激減させた。その結果、PDVSAは中国により多くの貨物を割り当てるために仲介業者を利用、イランとの連携強化につながった。それらの仲介業者は今もPDVSAと取引している。

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