◎マドゥロ大統領とその仲間たちはこの1年、野党予備選を何度も嘲笑してきた。
ベネズエラのマドゥロ大統領(Getty Images)

ベネズエラの高等裁判所は30日、野党が主催した大統領予備選に関連する全プロセスを停止するよう命じた。

マドゥロ政権の支配下に置かれる司法は今月22日に行われた予備選を「偽物」と呼び、法律に違反している可能性がある裁定した。

この判決が投票無効につながるかどうかは不明である。

AP通信によると、首都カラカスの選挙管理委員会事務所は質問に応じなかったという。野党が運営する選管も今のところ声明を出していない。

マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領とその仲間たちはこの1年、野党予備選を何度も嘲笑。妨害行為は最小限に抑えてきたが、国内外の登録有権者240万人以上が選挙に参加したため、嫌がらせを激化させたようだ。

野党選管によると、有権者の90%以上が同国初の女性大統領を目指すマチャド(María Corina Machado)元議員を支持したという。

国営テレビは高裁判事の声明を引用し、「野党が実施した選挙およびそれに関連するプロセスはすべて一時停止される」と伝えている。

高裁は選管を通さない予備選が法律に違反している可能性があるとして、すべての投票用紙、集計表、その他書類を引き渡すよう主催者に命じた。

また高裁はマドゥロ政権によるマチャド氏ら野党候補3人の大統領選出馬禁止令も支持した。

野党陣営は控訴するものとみられる。

マドゥロ政権と米政府の支援を受ける野党派閥は今月、2024年大統領選の条件などを協議する作業部会で協力することで合意した。これによりマドゥロ政権は6人の政治犯を釈放。バイデン米政権は同国に対する経済制裁の一部を解除した。

ベネズエラの経済はマドゥロ氏の不作為と米国の制裁でボロボロになり、この数年で市民800万人近くが国外に流出したと推定されている。

GDPはマドゥロ氏が就任した2013年以降、右肩下がりで急降下。2021年のGDP(推定値)は10年前の2割以下に落ち込んだ。

西側諸国は2018年の大統領選に出馬した野党党首グアイド(Juan Guaido)氏をベネズエラの暫定大統領と認めている。

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