◎マドゥロ大統領は協議再開の条件として、米国に厳しい経済制裁を解除するよう求めている。
2019年1月10日/ベネズエラのマドゥロ大統領(ロイター通信)

ベネズエラのマドゥロ政権と野党がノルウェーの仲介により、カリブ海の島国バルバドスで協議を再開する予定だ。在メキシコ・ノルウェー大使館が16日、明らかにした。

メキシコ政府は2021と22年の協議を主催した。最後の協議は昨年11月に開かれ、双方は貧困層のための保健、食料、教育プログラムに資金を提供するために国連が管理する基金を設立することなどに合意した。

西側諸国は2018年の大統領選に出馬した野党党首グアイド(Juan Guaido)氏をベネズエラの暫定大統領と認めている。

しかし、マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領は西側の主張を退け、米国を「ヤンキー帝国」と非難。中国とロシアの背後に回った。

マドゥロ政権は昨年末、カーボベルデ共和国がマドゥロ氏の盟友サアブ(Alex Saab)氏を米国に引き渡したことを受け、協議を一方的に打ち切った。

マドゥロ氏は協議再開の条件として、米国に厳しい経済制裁を解除するよう求めている。

在メキシコ・ノルウェー大使館によると、双方は政治的合意に達することを目的とする対話再開で合意したという。ベネズエラ政府は今のところコメントを出していない。

第1回協議は17日に行われる予定。

米国務省のミラー(Matthew Miller)報道官は16日、交渉再開を歓迎し、「米政府は国際社会と連携して必要な取り組みを続ける」と表明した。

一方、AP通信は米政府高官の話しとして、「米国とベネズエラの間に取引はない」と伝えている。

それによると、バイデン(Joe Biden)大統領は協議再開を支持し、「民主的な選挙の実施に向けた具体的な行動が示されれば、制裁を緩和する用意がある」と述べたという。

ベネズエラの経済はマドゥロ氏の不作為と米国の制裁でボロボロになり、この数年で市民700万人が国外に流出したと推定されている。

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