◎両国の関係はアルゼンチンのミレイ大統領が昨年就任して以来、悪化の一途をたどっている。
南米ベネズエラの司法当局は27日、今月初めに逮捕されたアルゼンチン軍兵士がテロ容疑で起訴されたと明らかにした。
それによると、起訴されたのはアルゼンチン陸軍のガロ(Nahuel Gallo)伍長。国際的な極右グループの支援を受け、テロ行為によりベネズエラを不安定化させようとした罪に問われているという。
アルゼンチンの治安相は27日の記者会見でこの告発を否定。ベネズエラ政府を「嘘つき野郎」と呼び、ガロ氏を直ちに釈放するよう要求した。
両国の関係はアルゼンチンのミレイ(Javier Milei)大統領が昨年就任して以来、悪化の一途をたどっている。右派のミレイ氏は独裁者のマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領を「世界で最も愚かな男」「狂った左翼ゲリラ」などと呼んでいる。
ガロ氏は12月8日、コロンビア側からベネズエラの入国管理事務所を訪れ、入国後、当局に拘束された。
アルゼンチンのメディアによると、ガロ氏はベネズエラ国籍の妻を訪ねるために同国を訪れていたという。
治安相の記者会見に同席したガロ氏の家族はガロ氏に届いた召喚状を公開。逮捕された時は休暇中だったと明らかにした。
マドゥロ氏に忠誠を誓う選挙管理委員会は7月28日に行われた大統領選の集計結果を公表せず、マドゥロ氏が得票率51%で勝利したと宣言した。
しかし、野党陣営は全国の電子投票機が印刷した集計表の80%以上を確保・精査した結果、全野党の統一候補であるゴンザレス(Edmundo González)氏の得票数はマドゥロ氏に2倍以上の差をつけていたことが明らかになった。
米国やアルゼンチンを含む数十カ国が選挙の勝者をゴンザレス氏と認定。選管に透明性のある集計結果を公表するよう呼びかけてきた。
しかし、最高裁判所は8月末、マドゥロ氏の勝利を認定。さらにカラカスの地方裁判所は9月、ゴンザレス氏が選挙結果を捏造し、暴動を煽ったなどとして逮捕状を発行した。
この結果、ゴンザレス氏はスペインへの亡命を余儀なくされた。