SHARE:

ベネズエラ大統領拘束、ロドリゲス氏が暫定大統領に就任へ

最高裁の決定は、大統領が不在となった状況下でも国家機能を維持し、政府の管理と国の防衛を確保するためにロドリゲス氏が大統領職を代行する権限を持つと明示した。
ベネズエラのロドリゲス副大統領(ロイター通信)

ベネズエラの最高裁判所は1月3日、ロドリゲス(Delcy Eloína Rodríguez Gómez)副大統領に暫定大統領への就任を命じる決定を下した。この決定は、3日未明に米軍が行った軍事作戦で独裁者のマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領が拘束されたことを受けてのもので、行政の継続と主権維持を目的としていると最高裁は説明した。

最高裁の決定は、大統領が不在となった状況下でも国家機能を維持し、政府の管理と国の防衛を確保するためにロドリゲス氏が大統領職を代行する権限を持つと明示した。また、最高裁は今後、国の主権と統治の継続性を保証する法的枠組みについて議論を行うとしている。

ロドリゲス氏はこれまでマドゥロ政権下で副大統領として長年にわたり要職を務めてきた人物であり、マドゥロの強硬な支持者として知られていた。しかし、今回の最高裁の決定についてロドリゲス氏自身は明確に受け入れる姿勢を示していないとの報道もあり、国内政治は極めて不安定な状態にある。

ロドリゲス氏はマドゥロが依然として唯一の正統な大統領であると主張し、マドゥロの即時解放を求める声明を出している。

米国側の動きも混乱を増幅させている。トランプ(Donald Trump)大統領は3日、米軍がマドゥロを拘束し国外に移送したと発表し、その後の記者会見でマドゥロが米国内で裁判にかけられる見通しを示した。またトランプ氏はロドリゲス氏と電話で話し、ロドリゲス氏は米国と「協力して」安全で適切な政権移行を進める意向を表明したと伝えられている。

一方で、この事態は国際社会にも波紋を広げている。ベネズエラの友好国や地域諸国は米国の軍事行動を非難し、主権の侵害だと指摘する声が相次いでいる。隣国や国際機関は平和的解決と国際法に基づく対応を求める声明を出すなど、ベネズエラ危機への対応を巡る国際的な議論も活発化している。

ベネズエラ国内では、マドゥロ拘束の報を受けて一部地域で混乱や抗議デモが起きているとの情報もあり、治安状況は依然として流動的だ。最高裁の決定が実際に国内の政治的空白を埋めるのか、あるいはさらなる混乱を招くのかは不透明である。

この異例の事態は、米国とベネズエラという国家間の緊張関係を一段と深めるとともに、中南米全域の政治・外交情勢に重大な影響を及ぼす可能性がある。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします