ベネズエラ暫定政権が政治犯を釈放、マドゥロ拘束で和解追求、懸念も
米国がマドゥロ大統領を麻薬・テロ関連の容疑で拘束してから5日が経過し、地域の緊張が高まる中、暫定政権はこの釈放を「平和を求めるジェスチャー」と位置付けている。
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ベネズエラの暫定政権は8日、複数のジャーナリストや活動家、反体制派関係者を刑務所から釈放したと発表した。米国がマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領を麻薬・テロ関連の容疑で拘束してから5日が経過し、地域の緊張が高まる中、暫定政権はこの釈放を「平和を求めるジェスチャー」と位置付けている。
釈放を発表したのは国会議長で、「数多くの受刑者を対象としている」と述べたが、具体的な人数や氏名は明かしていない。議長はテレビ放送で「この釈放は政府による平和の追求という意図のもとで行われている」と説明した。
釈放されたのはベネズエラ国民だけでなく外国人も含まれ、スペイン政府は5人のスペイン国籍者が釈放され帰国準備中であると発表した。この中にはジャーナリストや人権活動家、弁護士が含まれ、家族らが刑務所の外で再会を待つ様子も見られた。
首都カラカスの人権団体によると、2025年末時点で少なくとも863人が政治的理由で拘束され、今回の釈放は全体のほんの一部にとどまる可能性があるという。同団体は今回の釈放について、「良いニュースだが、本当に抑圧的なシステムの解体につながるのか注視する必要がある」と述べた。
今回の動きは、米国によるマドゥロ拘束後に起きたもので、国際的な政治状況と深く絡んでいる。マドゥロは米国で麻薬取引の罪などに問われており、これを受けてベネズエラ国内では暫定政権への批判が高まるとともに、政治犯や報道関係者への対応が国際社会の関心を集めていた。
人権団体はマドゥロ政権が野党政治家やジャーナリスト、活動家などを「国家転覆を企てた」として多数拘束してきたと非難。政府側はこれを否定してきた。一方、国際的な人権団体や各国政府も長年にわたり、言論の自由や人権侵害を理由に批判を続けてきた。今回の釈放がこうした長期にわたる批判への対応として一定の意味を持つとの見方もある。
ただし、釈放が単なる象徴的な措置に終わるのではないかとの懸念も根強い。人権団体は「政府が一部を釈放する一方で、他の人々を拘束し続ける可能性がある」と指摘し、国際社会と人権団体が監視を続ける必要性を強調した。
ベネズエラ国内では、家族や支援者が釈放者と再会する感動の場面が見られた一方で、依然として多くの政治犯が釈放を待っている。今後、政府がさらなる釈放や政治的和解の動きを進めるのか、国内外の注目が集まっている。
