ベネズエラ国会、石油部門改革の議論開始、民間企業の参入促す
法案の成立はベネズエラの石油生産の活性化と経済再建に向けた大きな一歩となる一方で、政治的正当性の問題や米国による制裁解除のタイミングといった課題も残されている。
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ベネズエラの国民議会(一院制、定数285)は22日、石油産業の国家統制を大幅に緩和する法案の審議を開始した。今世紀最初の大規模な石油部門改革と位置付けられるこの法案は、過去20年以上にわたり国家が支配してきた油田開発のあり方を転換し、民間と外国企業の参加を促す内容となっている。改革は2007年に故チャベス(Hugo Chávez)元大統領が石油産業を国有化して以来の大きな変化となる見込みだ。
法案は埋蔵量世界最大級の油田に対し、国営石油会社PDVSAとの契約下でも民間企業が独立して油田の操業を行い、生産した原油を自ら販売できる権利を認めることを柱としている。これまでのように全てを国家が指揮するのではなく、運営会社としてリスクとコストを負担しつつ事業を進められる仕組みだ。
また、法案には投資紛争に関して従来の国内裁判所のみならず、国際仲裁による解決を認める規定が盛り込まれている。外国資本を呼び込む上で投資家の懸念となっていた法的な保証を確立する意図があるとみられる。さらに、現在30%に設定されている国家へのロイヤルティ率や採掘税についても、油田の開発状況に応じて最低15%まで引き下げる柔軟な税制が導入される可能性がある。
議会における審議は与党系議員が主導し、初回の議論は約2時間にわたって行われた後、次の審議段階に進むことが決まった。議会議長は声明で「油田を地中に眠らせておくわけにはいかない。生産の加速が必要だ」と述べ、改革推進の意義を強調した。産業界の代表者もこの法案が石油産業の発展を後押しすると期待を表明している。
今回の改革案は米国が関与するベネズエラ情勢の変化と密接に関連している。米軍は今月初め、独裁者のマドゥロ(Nicolas Maduro)前大統領を拘束。その後、暫定政権が発足した。トランプ(Donald Trump)米大統領はベネズエラの石油産業に米国企業が参入することを強く働きかけている。米側は投資の拡大や合同事業の進展を呼びかけ、米エネルギー企業による再建投資が2000億ドル規模に達する可能性も報じられているが、依然として過去の国有化による資産没収の歴史や政治的な不確実性が企業側の慎重姿勢を招いている。
法案の成立はベネズエラの石油生産の活性化と経済再建に向けた大きな一歩となる一方で、政治的正当性の問題や米国による制裁解除のタイミングといった課題も残されている。トランプ政権が求める米企業の役割と現地の政治情勢がどう交錯していくかが今後の焦点となる。
