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ベネズエラ首都で米軍の攻撃により死亡した兵士らの合同葬

会場となった南カラカスの国営墓地では、国旗をかけた木製の柩がずらりと並び、軍服を着た将兵や遺族らが静かに見守る中、軍楽隊の演奏や教会の歌声が響いた。
2026年1月7日/ベネズエラ、首都カラカス、米軍の攻撃により死亡した兵士の合同葬(AP通信)

ベネズエラ軍は7日、首都カラカスで米国によるマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領拘束作戦で死亡した兵士らの合同葬を執り行い、追悼の意を示した。会場となった南カラカスの国営墓地では、国旗をかけた木製の柩がずらりと並び、軍服を着た将兵や遺族らが静かに見守る中、軍楽隊の演奏や教会の歌声が響いた。参列者は柩を土に下ろす際、軍式礼砲の発射音に包まれた。葬儀前には遺族が集まり、遺体のそばで涙を流し互いに抱き合う姿も見られた。 

この合同葬は週末に米軍によって行われた夜間の作戦で少なくとも24人の治安要員が死亡したことを受けて行われたもので、戦死者の多くは軍の兵士とされる。

司法長官は声明で、米軍の攻撃によって「数十人」の治安当局者や民間人が死亡したと述べ、検察が戦闘行為について「戦争犯罪」として調査を行う意向を示した。ただし、この「数十人」という数字がベネズエラ人だけを指すのかどうかは明らかにしていない。

また、キューバ政府も同作戦で同国の軍・警察要員32人が死亡したと発表、2日間の追悼期間が宣言された。キューバとベネズエラは長年、軍事・治安面で緊密な関係にある。

葬儀の場でベネズエラ軍は、インスタグラムアカウントを通じ、「流された血は復讐ではなく、正義と強さを求めるものである」と投稿し、「大統領を救出し、国外から流入するテロリスト集団を解体し、再びこの主権ある地が汚されることのないよう誓いを新たにする」と述べた。

一方、今回の米国の軍事行動をめぐっては、国際社会で大きな論争を呼んでいる。トランプ政権は作戦を麻薬取引や汚職に関与したとして起訴されたマドゥロを拘束するための正当な措置だと主張する一方、多くの国や国際法専門家は主権国家への一方的な軍事介入として批判している。これにより、地域の政治的緊張は一段と高まっている。

ベネズエラ国内では、米軍の作戦に対する賛否が分かれている。大都市では一部の市民が独裁的な政権からの解放に期待を示す声もある一方、将来の不透明さや暴力の拡大を懸念する声も根強い。社会の分断は依然として続いており、今回の事件が国民の不安を増幅させている。

国際的には、今回の作戦とその死者をめぐる非難が外交問題に発展し、国連や地域機構で対応が協議される見通しだ。ベネズエラと米国との関係修復の道筋は見えず、今後の政治・安全保障情勢は一層不透明感を増している。国際社会の関与と緊張緩和の取り組みが求められる状況が続いている。

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