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ベネズエラのマドゥロ大統領、米国との「真剣な」協議に意欲

マドゥロ氏はインタビューの中で、「事実に基づいて真剣に話し合うべきだ」と述べ、麻薬密売対策での合意形成や米国企業によるベネズエラの石油投資受け入れについて前向きな姿勢を示した。
2025年12月28日/ベネズエラのマドゥロ大統領(ロイター通信)

ベネズエラのマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領は1月1日、米国との間で麻薬対策や石油分野の協力を含む「真剣な協議」を行う用意があると表明した。これは新年のインタビューで語られたもので、両国間の緊張が高まる中での発言として注目されている。

マドゥロ氏はインタビューの中で、「事実に基づいて真剣に話し合うべきだ」と述べ、麻薬密売対策での合意形成や米国企業によるベネズエラの石油投資受け入れについて前向きな姿勢を示した。特に米国の石油大手シェブロンのような企業が、条件が合えばベネズエラの油田や石油産業に投資することを受け入れる用意があると語った。

またマドゥロ氏は、ベネズエラを「米国にとって兄弟のような友好国」と表現し、両国の協議が双方にとって利益になる可能性を強調した。こうした発言はトランプ(Donald Trump)大統領がベネズエラに対する圧力を強める中で出されたものであり、トランプ氏は制裁強化や軍事的プレゼンスの拡大も辞さない姿勢を示している。

米国は過去数カ月間にわたり、麻薬密輸船への攻撃やベネズエラ沖への海軍展開など、対ベネズエラ政策を強化してきた。このためマドゥロ氏は、米国がベネズエラの石油や金、レアアースなどの天然資源の支配を目論んでいると非難している。こうした主張は、両国関係の緊張を象徴するものとなっている。

米側はベネズエラを「麻薬国家」と断定する立場を取っており、マドゥロ政権に対してさらなる圧力をかける姿勢を崩していない。一方で、マドゥロ氏は自国が麻薬流通の中心であるとの主張を否定、その多くは隣国コロンビアから持ち込まれていると反論している。

ベネズエラ経済は長年にわたる混迷が続いており、米国による制裁や原油価格の低迷はベネズエラの輸出量を激減させ、外貨収入を圧迫している。これに伴いインフレ率は高止まりし、通貨価値は大幅に下落。こうした経済的な困難が、政府の外交政策にも影を落としている。

今回のマドゥロ氏の発言は、米国との全面的な対立から現実的な協議路線への転換の可能性を示唆するものとして受け止められている。ただし、具体的な協議の日程や内容は明らかになっておらず、両国間での交渉がどこまで進展するかは不透明だ。いずれにせよ、今後の対話の行方が地域の安定や国際関係に与える影響は大きく、引き続き注視が必要である。

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