ベネズエラ政府、大統領選後の抗議活動で拘束された88人を釈放、2週連続
この釈放はマドゥロ大統領が命じた事件ごとの包括的な再審査プロセスの一環だと政府は説明している。
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ベネズエラ政府は1月1日、2024大統領選挙後の抗議活動で拘束された88人を釈放したと発表した。これは過去2週間で2度目の大規模恩赦である。12月26日に99人が釈放され、今回の88人を加えると2週間で計187人が自由の身になったとされる。この釈放はマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領が命じた事件ごとの包括的な再審査プロセスの一環だと政府は説明している。
地元の人権団体は少なくとも55人が中部地方にある刑務所から釈放されたと報告している。しかし、当局発表の人数全てが釈放されたかどうかについては疑問視する声もあり、複数のNGOが実際に釈放された人数は報告より少ない可能性があるとしている。加えて、選挙前の逮捕者も含めると、なお900人余りの政治犯が国内に残されているとの見方が示されている。
マドゥロ政権は政治犯を拘束しているのではなく、反国家的な行動を企てた「犯罪者」「政治家」を拘束しているにすぎないと主張し、拘留は国の安定を損なう行為を阻止するための措置だと説明している。一方、国際的な人権団体はこれらの拘束を恣意的・政治的な弾圧と非難している。
この恩赦はトランプ政権によるベネズエラへの圧力強化の中で行われた。トランプ(Donald Trump)大統領はマドゥロ政権に対し、退陣することが賢明だと述べるなど、強硬な姿勢を示している。また米国はカリブ海域で軍事プレゼンスを増強し、ベネズエラ沖で麻薬密輸船に対する攻撃を実施、100人以上を殺害したほか、石油タンカー2隻を拿捕するなどの行動を取っている。これはベネズエラ政府に圧力をかける目的を持つとされるが、国際社会で議論を呼んでいる。
2024年7月の大統領選はマドゥロ氏が一方的に勝利を宣言。野党と欧米諸国は不正があったと非難し、広範な抗議デモが発生した。治安部隊の弾圧により数十人が死亡、数千人が逮捕された。欧米諸国はこれを厳しく非難、ベネズエラ政府は治安維持の必要性を強調し、反政府デモは国の安定を脅かす行為だとして厳しく対処してきた。
釈放が進む一方で、拘束者が完全に解放されたわけではないという見方も強い。多くの元拘束者には移動の制限や言論の自由の制約といった条件が課されており、政治的緊張は依然として高い。国際人権団体は、国際法に基づいた全面的な釈放と司法の透明性確保を求めており、国内外でその動きが注目されている。
今回の釈放は新年早々の出来事となり、政治的圧力と国内情勢の複雑な絡み合いを象徴する出来事として国内外の関心を集めている。今後の釈放動向や政治的対応は、ベネズエラの政治的安定や人権状況に大きな影響を与える可能性がある。
