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ベネズエラ政府、トランプ氏の領空閉鎖発言を非難

この発表は最近の米国とベネズエラの関係悪化という流れの中で行われたものだ。
ベネズエラ、首都カラカス(ロイター通信)

トランプ(Donald Trump)米大統領は29日、自身のソーシャルメディアを通じて、ベネズエラの上空および周辺空域を「全面的に閉鎖されたものと見なすべきだ」と宣言した。

トランプ氏は投稿で「すべての航空会社、パイロット、麻薬密売人、人身売買業者に告ぐ」とし、同空域への飛行を控えるよう警告した。

この発表は最近の米国とベネズエラの関係悪化という流れの中で行われたものだ。米国はこれまで、カリブ海や東太平洋で麻薬密輸船を標的にした空爆などを実施してきた。

さらに、空母や戦闘機などを含む大規模な軍隊展開も報告されており、ベネズエラに対する圧力は強まっていた。

法的な観点からみると、トランプ氏が他国の空域を一方的に閉鎖する法的権限を持つわけではない。この点については、声明の直後から議論が起こっており、軍事行動の明言もないため、今回の宣言が実効性を伴うのかは不透明だ。

この発言に対して、ベネズエラ政府は即座に反発。「植民地主義的脅威」であり、自国の主権に対する明白な侵害であると非難した。また、国際法にも反すると主張した。

この事態は外交と安全保障、国際法、民間航空の観点で重大な波紋を広げる可能性がある。もしもこの「閉鎖」が現実の空域制限や軍事行動に発展すれば、ベネズエラ国内の住民生活や人道支援、医療物資の輸送などへ甚大な影響が出る恐れもある。

航空会社や国際機関も慎重な姿勢を示しており、今後の展開次第では、地域の緊張はさらに高まる可能性がある。

一方で、現時点で国際機関や関係国がこの宣言を承認したという報告はなく、多くは「言葉による威嚇」にとどまっているとの見方もある。そのため今後、米国またはベネズエラ側がどのような対応を取るか、国際社会がどう反応するかが注目される。

米海軍は9月、外国テロ組織に指定されているベネズエラの麻薬組織トレンデアラグアが運航する麻薬輸送船を空爆し、構成員11人を殺害。その後、さらに19隻の麻薬密輸船を爆撃した。

一連の攻撃による死者は80人にのぼっている。

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