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ベネズエラ暫定政権が恩赦法案を閣議決定、政治犯釈放へ

この法案は反政府活動や人権擁護活動で収監された政治犯の大量釈放につながる可能性があるとして、野党や人権団体から歓迎の声が上がっている。
2026年1月30日/ベネズエラ、首都カラカス、演説するロドリゲス暫定大統領(AP通信)

ベネズエラのロドリゲス(Delcy Eloína Rodríguez Gómez)暫定大統領は30日、政治的理由で拘束されている数百人の政治犯を対象とする恩赦法案を閣議決定した。この法案は反政府活動や人権擁護活動で収監された政治犯の大量釈放につながる可能性があるとして、野党や人権団体から歓迎の声が上がっている。

ロドリゲス氏は首都カラカスの最高裁判所で演説し、国民議会がこの法案を迅速に審議すると語った。また「この法律が暴力と過激主義によって生じた政治的対立の傷を癒し、国内の司法を再構築し、国民の共存を促進することを願う」と強調した。

この恩赦法案は1999年以降に政治的理由で拘束されたすべての者を対象とし、殺人や麻薬取引、汚職、重大な人権侵害で有罪判決を受けた者は対象外とする方針が示されている。法案の詳細や対象基準の具体的な内容は明らかになっていない。

ロドリゲス暫定政権は今月初めにも多くの政治犯の釈放を表明しており、人権団体は1月8日以降に302人が釈放されたと報告している。一方で同団体は依然として700人以上が政治活動を理由に拘束されているとして、全員の即時釈放を求めている。

ロドリゲス氏は恩赦発表に合わせて、カラカス市内にある政治犯向けの刑務所を閉鎖すると表明した。この施設は拷問や人権侵害が繰り返し報告されてきた場所で、閉鎖後は地域住民や警察向けのスポーツ、文化センターとして再利用される予定だという。

政治犯の家族たちは発表を受けて施設外に集まり、「自由を」と唱えながら涙を流す姿も見られた。

野党指導者でノーベル平和賞受賞者のマリア・コリナ・マチャド(María Corina Machado)氏は声明で、「この恩赦は米国の圧力に応じたものであり、自発的な改革ではない」と批判した。またマチャド氏はマドゥロ政権時代の弾圧の仕組みが残っているとして、より広範な政治改革の必要性を強調した。

複数の人権団体も声明を発表し、透明性のある包括的な恩赦を求めた。また団体は、釈放が遅々として進まない現状にも不満を示し、すべての恣意的拘束の即時停止を訴えた。

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