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米国、エクアドルに安全保障支援提供へ、麻薬カルテル対策

エクアドルの人口は約1800万人。昨年の殺人認知件数は約8000件。人口10万人あたりの殺人件数は世界トップクラスである。
2025年9月4日/エクアドル、首都キト、ノボア大統領(右)とルビオ米国務長官(Getty Images/AFP通信)

米国のルビオ(Maro Rubio)国務長官は4日、南米エクアドルに対し、2000万ドル相当の安全保障支援を新たに提供すると発表した。

ルビオ氏はエクアドルの首都キトでノボア(Daniel Noboa)大統領らと会談。麻薬カルテルやギャング対策の一環として、同国を支援すると表明した。

それによると、この支援には1300万ドル超の一般的な安全保障資金に加え、600万ドル相当のドローン提供が含まれるという。

ルビオ氏は会談後の共同記者会見で、「これは両国の協力体制が新たなレベルに達したことを意味し、ほんの始まりに過ぎない」と語った。

またルビオ氏はエクアドルからの要請があれば、同国に軍事基地を設置することも検討すると述べた。

ノボア氏は米軍の駐留を支持しているが、議会と国民投票での承認が必要である。

議会は現在、左派のコレア(Rafael Correa)元大統領の支持を受けて2008年に制定された外国軍基地の設置を禁じる法律の見直しを進めている。

米軍は以前、沿岸の都市マンタに基地を置いていたが、この法律を受け、2009年に撤退した。

ルビオ氏はトランプ政権による麻薬カルテル対策の一環として、エクアドルの2大ギャングであるロス・チョネロスとロス・ロボスを「外国テロ組織」に指定することも発表した。

ノボア氏は昨年、世界最大の麻薬組織シナロア・カルテルと同盟関係にあるロス・チョネロスのリーダーが港湾都市グアヤキルの刑務所から脱獄したことを受け、国家非常事態を宣言した。

このリーダーは最近逮捕され、米ニューヨーク州に送還された。

治安部隊は国家非常事態宣言後、全国で取り締まりを強化してきたが、ギャング間抗争が続く地域では暴力が激化している。

内務省の統計によると、25年1~7月末までの殺人認知件数は5268件で、前年同期から40%も急増した。

エクアドルの人口は約1800万人。昨年の殺人認知件数は約8000件。人口10万人あたりの殺人件数は世界トップクラスである。

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