トランプ政権、ベネズエラ沖にイージス艦3隻展開、圧力強化
国防総省は麻薬対策を支援するため、この地域に部隊を展開していることを認めたが、詳細は明らかにしていない。
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トランプ米政権がラテンアメリカの麻薬カルテルからの脅威と闘う取り組みの一環として、3隻のイージス艦をベネズエラ沖に派遣している。現地メディアが19日に報じた。
AP通信は関係筋の話しとして、「USSグラベリー、USSジェイソン・ダナム、USSサンプソンは間もなくベネズエラ沖に到着する予定である」と伝えている。
国防総省は麻薬対策を支援するため、この地域に部隊を展開していることを認めたが、詳細は明らかにしていない。
報道によると、イージス艦は数カ月に渡ってこの海域に配備される予定だという。そこで何をするかは不明だ。
米司法省は今月初め、ベネズエラの独裁者であるマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領にかけている報奨金を5000万ドルに引き上げた。
ボンディ(Pam Bondi)司法長官はマドゥロ氏を「世界最大の麻薬密売人のひとり」と評し、麻薬カルテルと共謀した合成麻薬フェンタニルを混ぜたコカインを米国に大量に流入させていると非難した。
ベネズエラ政府はイージス艦の配備に関するコメントを出していない。
ベネズエラ外務省は19日、米国による麻薬密売の告発を改めて否定。司法省の制裁強化を脅迫と呼んだ。
マドゥロ氏は18日、米国がベネズエラに対する圧力を強化したと非難し、全国に450万人以上の民兵を展開する計画を発表した。
米国務省は2月、ベネズエラのトレンデアラグアを含む中南米の8つの麻薬組織を外国テロ組織に指定した。
トレンデアラグアはベネズエラ北部アラグア州の刑務所で創設されたギャング。ベネズエラ当局は23年、この組織を解体したと発表したが、幹部の行方は分かっていない。
ベネズエラは世界最大の石油埋蔵量を誇り、かつては南米最大の経済大国であった。しかし、その経済は米政府による制裁とマドゥロ氏の後先考えないバラマキ政策で急速に悪化。GDPはマドゥロ氏が就任した2013年以降、右肩下がりとなり、2021年には10年前の2割以下に落ち込んだ。