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米国とアルゼンチン、200億ドルのスワップラインで合意

スワップラインは中央銀行同士が自国通貨と外国通貨を交換(スワップ)する取り決めであり、主に国際金融市場の安定を目的として設けられる。
アルゼンチンのミレイ大統領(右)と米国のベッセント財務長官(AP通信)

ベッセント(Scott Bessent)米財務長官は9日、アルゼンチン中央銀行との200億ドルの通貨スワップ枠組みで最終合意したと発表した。

これにより、アルゼンチンペソとアルゼンチンのドル建て債は急騰した。

ベッセント氏は先月末、アルゼンチン中銀との間で200億ドルのスワップラインに関する交渉を開始すると発表。アルゼンチンの金融資産はこの発表後、反発していた。

スワップラインは中央銀行同士が自国通貨と外国通貨を交換(スワップ)する取り決めであり、主に国際金融市場の安定を目的として設けられる。

具体的には、一方の中央銀行が相手国の中央銀行から外貨を一定期間借り入れ、自国通貨を担保として差し出す形をとる。

この仕組みによって、危機時でも市場に外貨流動性を供給できるため、金融不安や為替の急激な変動を抑える効果がある。

代表例として、米連邦準備制度理事会(FRB)が主要国の中央銀行と結んでいるドルのスワップラインがある。

これにより、ドル需要が逼迫した際でも各国の銀行がドル資金を調達しやすくなる。スワップラインは平時には使用されないが、有事の際に備えた「安全弁」としての役割を果たす。また、スワップ協定の有無はその国の信用力を反映することもあり、経済的・外交的にも大きな意味を持つ。

ベッセント氏はX(旧ツイッター)への投稿で、「米国財務省は市場の安定のために必要なあらゆる措置を直ちに講じる用意がある」と述べた。

アルゼンチンの2035年満期債券はこの発表後、4.6セント上昇し、1ドル当たり60.58セントで取引を終えた。

一方、アルゼンチンペソはわずかに上昇、「1ドル=1418ペソ」で取引を終えた。株式市場も5%以上急騰した。

ベッセント氏はアルゼンチン財務相と4日間にわたる会談を終えた後、この声明を発表した。

この会談には国際通貨基金(IMF)の当局者も参加。IMFは4月、アルゼンチンへの200億ドルの新規融資プログラムを承認した。

ベッセント氏はアルゼンチンの改革への約束について 「IMFと緊密に連携している」と強調。「アルゼンチンの政策は、財政規律に根ざしている限り、健全である。その為替レート帯は、依然として目的に適合している」と付け加えた。

IMFの広報担当はこの発表に関するコメントを出していない。

アルゼンチンのミレイ(Javier Milei)大統領は世界銀行とIMFがワシントンDCで会合を開く週の10月14日にホワイトハウスを訪問し、トランプ(Donald Trump)大統領と会談する予定である。

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