ブラジル副大統領、米最高裁の「トランプ関税」違法判決を歓迎
米最高裁はトランプ氏が1977年制定の国際緊急経済権限法(IEEPA)を根拠に導入した関税について、「大統領に関税を課す権限はなく、これらの措置は違法である」と裁定した。
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ブラジルのアルクミン(Geraldo Alckmin)副大統領は20日、米最高裁判所がトランプ(Donald Trump)大統領の関税措置を違法と判断した判決について、ブラジル製品の米国市場における競争力を回復させる重要な転機になると評価した。アルクミン氏は記者会見で、この判断が対米貿易関係にプラスに働くとの見方を示した。
米最高裁はこの日、トランプ氏が1977年制定の国際緊急経済権限法(IEEPA)を根拠に導入した関税について、「大統領に関税を課す権限はなく、これらの措置は違法である」と裁定した。この判決は6対3の賛成多数で下され、トランプ政権がブラジルを対象に設定した最大40%にも上る追加関税の根拠を否定した形となった。
アルクミン氏は首都ブラジリアの記者団に対し、トランプ政権がブラジルに課していた40%の追加関税は他国には適用されていない異例のもので、ブラジルの競争力を大きく損なっていたと指摘した。また今回の判決により、この関税措置が無効になったことは、ブラジルの輸出業者が米国市場で再び競争力を取り戻すうえで極めて重要だと述べた。
これまでトランプ政権はブラジル産コーヒーや牛肉など複数の製品に高関税を課す政策を展開してきたが、インフレ圧力やリベラル派との交渉を受け、一部商品については関税率を引き下げる措置を講じていた。しかし、40%の関税は依然としてブラジル経済に重い負担となっていた。アルクミン氏は今回の最高裁判断が米国との貿易と非貿易分野での対話を強化する契機になるとの展望も示した。
ただし、トランプ氏は判決を受けて、別の法的根拠に基づく新たな関税措置の導入を表明している。ホワイトハウス報道官や関係当局は今回の判決を踏まえて、別の通商法規に基づき一律10%の輸入関税を導入する方針を明らかにしており、これが広くすべての国に適用される見込みだ。アルクミン氏はこの10%関税はすべての国に均等に作用するため、ブラジルの競争力には影響しないとの見解を示した。
専門家によると、最高裁判決は米国の大統領権限と議会の権限の範囲を明確にするもので、米国の通商政策全体に広い影響を与える可能性がある。国際的にも判決は歓迎される一方で、トランプ政権が代替法令による関税措置を進める可能性が残されているため、不確実性は依然として残っているとの指摘もある。
ブラジル政府は今後、最高裁判決を踏まえつつ、米国との貿易交渉を継続し、両国の経済関係を深化させる方策を探る方針を打ち出している。アルクミン氏は「この判決はブラジルにとって好機であり、米国との実務的協議をさらに推進する」と述べた。
