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米軍、カリブ海で7隻目の石油タンカーを拿捕、ベネズエラ関連

米南方軍(SOUTHCOM)はX(旧ツイッター)に声明を投稿。抵抗を受けることなくリベリア船籍のタンカーを制圧したと明らかにした。
2026年1月14日/ベネズエラの製油所(AP通信)

米軍は20日、ベネズエラと関連があるとしてトランプ政権が制裁対象とした石油タンカー1隻をカリブ海で拿捕したと明らかにした。これにより、米軍がこの海域で拿捕したタンカーは7隻となった。

米南方軍(SOUTHCOM)はX(旧ツイッター)に声明を投稿。抵抗を受けることなくリベリア船籍のタンカーを制圧したと明らかにした。

このタンカーは香港に拠点を持つ企業が所有・管理しているとされ、最後に位置情報を送信したのは北欧バルト海を出た直後で、数カ月にわたり発信が途絶えていたという。また、米財務省は同船をロシアのウクライナ侵攻に関連する大統領令に基づく制裁対象に指定していた。SOUTHCOMの投稿では、このタンカーはベネズエラ産の石油を運んでいたとみられる。SOUTHCOMは「この拿捕は、ベネズエラから出る石油は適切かつ合法的に管理された石油でなければならないという我々の決意を示すものだ」と説明した。

この拿捕はトランプ(Donald Trump)大統領がベネズエラの天然資源、とりわけ石油の生産・精製・流通の管理掌握を目指す政策の一環として実施されている。米軍は1月3日にベネズエラ大統領を拘束・移送した後、同国の石油インフラ事業に対して1000億ドル規模の投資計画を進める意向を示している。トランプ氏は20日、記者団に対し、米国はすでに5000万バレル以上のベネズエラ産原油を米国内外の市場で販売したと述べ、価格の安定化に寄与していると強調した。

今回の拿捕の詳細は明らかになっていないが、過去に押収された他の制裁対象タンカーの多くはベネズエラ周辺の海域で捕捉されている。一方、1隻だけは北大西洋での押収だったとみられる。初の押収は昨年12月10日であった。

米政府は制裁対象船舶の取り締まりを通じ、ベネズエラの「影の船団」と呼ばれる非公式のタンカーや迂回輸送網を封じ込めるとともに、合法的な石油取引のみを容認する方針を強調している。これには、ロシアやイランなどベネズエラ以外の制裁対象国の石油輸送に関わる船舶も含まれている。

しかしこの動きは国際的な批判も招いている。ベネズエラを含む一部の国は米国の行動を「侵略的」と非難し、米軍によるタンカー押収が海上の通商の自由や国際法に抵触するとの懸念を表明している。また、押収したタンカーおよび石油の扱いを巡る法的手続きや、押収後の資産の管理方法についても議論が続いている。

トランプ政権は引き続き制裁体制を維持・強化し、ベネズエラ産石油輸送の監視と取り締まりを継続する方針を示している。これにより、米国とベネズエラ、さらには国際的なエネルギー市場の緊張が一段と高まる可能性がある。

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