ウルグアイ議会、安楽死を認める法案可決・成立、地域初
地元メディアの世論調査によると、回答者の7割が安楽死を選択する権利を支持している。
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南米ウルグアイの議会上院(定数30)が15日、安楽死を認める法案を賛成多数で可決した。
これにより、ウルグアイは南米の中で安楽死を認める数少ない国のひとつになることが決まった。
議会下院(定数99)は8月に法案を可決していた。
その対象は末期患者の成人。耐え難い苦痛に直面し、改善の見込みがない場合、安楽死を選択することができる。
下院は法案の一部を修正。対象者の治療に関係する2人の医師の意見が対立した場合、専門家による委員会が審査することを義務付けるとしている。
ウルグアイはカトリックが主流の南米諸国で初めて安楽死を認めた国となる。コロンビアとエクアドルでは最高裁判所の判決により安楽死が認められている。
チリでは左派のボリッチ政権が最近、上院で長年停滞していた安楽死法案の承認に向けた動きを再開した。
ウルグアイ議会では5年ほどかけて法案の審議が行われた。
15日の採決では20人が賛成票を投じた。
地元メディアの世論調査によると、回答者の7割が安楽死を選択する権利を支持している。
中南米で安楽死を認めている国はキューバ、コロンビア、エクアドルの3カ国。ウルグアイは同性婚、人工妊娠中絶、大麻使用の合法化でも先駆的な役割を果たしてきた。
ウルグアイの人口は約340万人。中南米の中で最も安定した民主国家であり、米国、ブラジル、アルゼンチンのような分断に直面せず、24年11月の大統領選後に混乱が起きることもなかった。