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ウルグアイとアルゼンチン議会、EU・メルコスール自由貿易協定を批准

この協定は1999年に交渉が始まり、25年以上にわたる議論と調整を経て1月17日に署名されたもので、EU加盟27カ国とアルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイのメルコスール4カ国を対象とする。
2026年2月26日/ウルグアイ、首都モンテビデオの国会(AP通信)

ウルグアイとアルゼンチンの議会は26日、南米南部共同市場(メルコスール)の加盟国として、EUとの自由貿易協定を批准した。両議会は大多数の賛成を得て批准案を可決し、長年にわたる交渉を経て成立した歴史的な通商協定は重要な節目を迎えた。

この協定は1999年に交渉が始まり、25年以上にわたる議論と調整を経て1月17日に署名されたもので、EU加盟27カ国とアルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイのメルコスール4カ国を対象とする。批准が完了すると、世界最大級の自由貿易圏が形成される見込みで、7億人以上の消費者と世界のGDPの約4分の1をカバーする。

ウルグアイの上下両院は賛成多数で批准案を承認。下院は賛成91ー反対、上院は全会一致で可決、批准が決まった。外務省はX(旧ツイッター)への投稿で、「これは我が国、地域経済にとって歴史的な一歩だ」と述べた。アルゼンチンの上下両院も批准案を可決、両政府は協定発効への準備を進める方針だ。

この通商協定はEUとメルコスール間の関税の段階的な撤廃を柱とし、約92%の貿易品目に影響を与える。これにより、農産物や工業製品、サービスの自由な取引が促進されることが期待されている。また、貿易取引の拡大により両地域の経済成長や雇用創出にも寄与する可能性があると関係当局は指摘する。

しかし協定には課題もある。EU側では批准手続きが停滞しており、欧州議会が合意内容の適法性について欧州司法裁判所(ECJ)への意見照会を求める動きがあるため、EU全体での最終批准には時間がかかる可能性がある。EUの執行機関である欧州委員会は加盟国や議会間の意見調整を図りつつ、必要な手続きを進める方針を示している。

また、協定をめぐっては欧州内外で意見が分かれている。フランスや一部の農業団体は南米からの農産物輸入が自国の農業に打撃を与えるとして強く反対しているほか、環境保護や労働基準をめぐる懸念も根強い。これに対して支持者側は、自由貿易が両地域の企業競争力を高め、経済の多角化を促すと主張している。

ウルグアイとアルゼンチンの批准を受け、ブラジルやパラグアイも近く批准手続きを進める見通しだ。全加盟国の国内手続きが完了すれば、EUとの自由貿易協定は正式発効へ大きく前進し、国際通商の新たな枠組みとして世界経済に影響を与える可能性がある。

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