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国連高等弁務官、米軍の麻薬密輸船攻撃「容認できない」調査求める

トランプ米大統領は麻薬カルテルと戦争状態にあると宣言し、それをテロ組織に指定することで、一連の攻撃を正当化してきた。
米沿岸警備隊の巡視艇(Getty-Images/AFP通信)

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のターク(Volker Turk)高等弁務官は10月31日、カリブ海と東太平洋で違法薬物を運搬していたとされる「麻薬密輸船」に対する米海軍の攻撃を「容認できない」と批判し、直ちに停止すべきと述べた。

ターク氏の報道官は定例会見で、一連の攻撃を調査するよう要請した。

また報道官は「この攻撃と、それに伴う人的被害の増大は容認できない。米国はこうした攻撃を停止し、船舶上の人々に対する法的手続きを経ない殺害を防ぐために必要なあらゆる措置を講じるべきだ」と述べた。

さらに「ターク氏はカリブ海及び太平洋における船舶への米国による空爆は国際人権法に違反するとの見解を持っている」と強調した。

米海軍は先月初め、外国テロ組織に指定されているベネズエラの麻薬組織トレンデアラグアが運航する麻薬輸送船を空爆し、構成員11人を殺害。その後、さらに13隻の麻薬密輸船を爆撃した。

ヘグセス(Pete Hegseth)国防長官は10月29日、海軍が東太平洋上で新たな麻薬密輸船を攻撃したと発表。4人全員が死亡したとのこと。

今回の空爆で破壊された船舶は14隻、死者は61人となった。

トランプ(Donald Trump)米大統領は麻薬カルテルと戦争状態にあると宣言し、それをテロ組織に指定することで、一連の攻撃を正当化してきた。

これはジョージ・W・ブッシュ政権がテロとの戦争に使用したのと同じ法的権限に基づいている。

国防総省は南米沖に空母打撃群を派遣すると発表。ヘグセス氏が原子力空母ジェラルド・R・フォードを中核とする打撃群の展開を命じた。

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