◎コロンビアは世界最大のコカイン生産国だ。
国連は20日、南米コロンビアのコカ畑の面積が大幅に増加し、記録を更新したと報告した。
コカの葉はコカインの主原料である。コロンビアは世界最大のコカイン生産国だ。
国連薬物犯罪事務所(UNODC)が公表したレポートによると、コロンビアの昨年のコカ畑の面積は20万4000ヘクタール(琵琶湖面積の3倍)に達し、2001年の統計開始以来、最大になったという。
元左翼ゲリラのペトロ(Gustavo Petro)大統領は麻薬密売と戦う方法を変えたいと公言し、コカ畑を根絶やしにする政策を見直し、「合法的な理由」でコカを栽培する農家を支援すると表明している。
コロンビアで生産されるコカインの大半は欧米諸国に流れている。
コロンビア政府は農家をコカイン生産から引き離そうと何年も努力してきたが、インセンティブや補助金を提供できなかった。
この問題に詳しい専門家によると、「コカ栽培は金にある。他の農作物は金にならない」とのこと。
UNODCのレポートによると、コカ栽培が最も盛んな地域は北東部ノルテ・デ・サンタンデール州と、南西部のエクアドル国境に面する2地域だという。
ベネズエラと国境を接するノルテ・デ・サンタンデール州のコカ畑の面積は2万2000ヘクタールと推定されている。
コカは主に国境付近や港にアクセスしやすい地域で栽培されているようだ。これらの地域では武装ギャング、麻薬密売組織、農家が連携して活動している。
UNODCによると、コカ栽培はコロンビアの生物多様性を脅かし、森林破壊の一因となっている。コカ畑の50%は森林保護区などの特別区域にあるとみられる。
コロンビアの裁判所は7年前、コカの葉を守るために使用されている除草剤に含まれる化学物質グリホサートが木々を枯らし、土壌を汚染すると裁定。当局はこの判決を受け、グリホサートの使用を禁じた。
しかし、麻薬密売組織はこの除草剤を使用し続けているようだ。
ドゥケ(Ivan Duque)前大統領は米国の麻薬戦争を強く支持し、トランプ(Donald Trump)前米大統領は2年前、コロンビア政府にコカを薬剤で根絶やしにするよう求めた。
しかし、米国のブリンケン(Antony Blinken)国務長官は今月初め、ペトロ氏との会談で現政権のアプローチを支持すると表明した。
ブリンケン氏は記者会見で、「米国はペトロ氏がとっているアプローチを強く支持する」と述べた。
米麻薬取締局(DEA)によると、コロンビアのコカイン年間生産「可能量」は2011年の273トンから昨年は972トンまで増加したという。DEAはこの期間にコカ畑の面積が3倍に増加したと推定している。